-----------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                          113号 2017. 2. 22. ------------------------------------------------------------------------ ★ごあいさつ★  大阪などではちょっと暖かめの日があったのですが、と思ったら今度は花粉で、 いろいろ大変な季節が続きます。みなさまお元気でお過ごしでしょうか。  いつもご愛読ありがとうございます。RJPメールマガジン、第114号をお届け いたします。 RJP刊行物総合カタログ http://www.recorder.jp/rjpcatalogue.pdf ■目次■  <ごあいさつ>  1 本村睦幸「小さな室内楽」 テレマンいろいろ (2/24 東京) [再掲]  2 早川廣志 無伴奏リコーダー演奏会 (3/20 宮崎)  3 2本のリコーダーとチェンバロによるバロック音楽 (3/31 大阪)  4 土蔵 de バロック [赤坂放笛さん] (3/31 大阪)  5 咲くや麗しのバロック [赤坂放笛・榎田雅祥ほか] (4/1 大阪)  6 2017年3月の新刊  7 編集後記 ……………………………………………………………………………………………… ★1 本村睦幸「小さな室内楽」 テレマンいろいろ(2/24 東京) [再掲] ………………………………………………………………………………………………  お馴染みの本村先生の「小さな室内楽」です。詳細が発表されました。 ・横吹きフルートまたはヴァイオリンのための12のソロより第8番 ・ハラッハ・ソナタ イ短調 ・ソナチネ ハ短調 などが演奏されるとのことです。 http://www.recorder.jp/events/170224.htm ……………………………………………………………………………………………… ★2 早川廣志 無伴奏リコーダー演奏会 (3/20 宮崎) ………………………………………………………………………………………………  リコーダー(&バロックフルート)奏者・早川廣志さんの演奏会です。  早川さんは、永年、バッハの無伴奏チェロ組曲のリコーダー編曲に挑んでおら れ、RJPからCDも出ています。  ※ RJPダイレクト販売のみ・・・Amazon等では買えません  今回は4−6番の一挙演奏。加えて、震災被害者と原子炉事故被害者への祈り をこめた近藤浩平「海辺の祈り」が演奏されます。 http://www.recorder.jp/events/170320.htm ……………………………………………………………………………………………… ★3 2本のリコーダーとチェンバロによるバロック音楽 (3/31 大阪) ………………………………………………………………………………………………  首都圏で活躍されている向江昭雅氏と関西で活躍されている山本佳美氏、そし てチェンバロの中田聖子氏による演奏会です。  ドイツ、イタリア、フランスの名作を集めた多彩なプログラムです。  ※ タイトルは、本当は「・・・の夕べ」が続きます。 http://www.recorder.jp/events/170331.htm ……………………………………………………………………………………………… ★4 土蔵 de バロック [赤坂放笛さん] (3/31 大阪) ………………………………………………………………………………………………  大阪空襲でも焼け落ちなかった、古い貴重な土蔵での演奏会シリーズです。 おいしいゴマのお菓子も楽しめる楽しい雰囲気のコンサートです。 http://www.recorder.jp/events/170331-2.htm ……………………………………………………………………………………………… ★5 咲くや麗しのバロック [赤坂放笛・榎田雅祥ほか] (4/1 大阪) ………………………………………………………………………………………………  RJPが後援する演奏会です。赤坂放笛さんが主宰する「そう楽舎」の公演で、 音楽への姿勢がすばらしい榎田雅祥さんらをゲストに、ドイツバロックの名品を 中心とするプログラム。 http://www.recorder.jp/events/170401.htm ……………………………………………………………………………………………… ★6 2017年2月の新刊 ………………………………………………………………………………………………  2月は3タイトル(+1)がリリースになります。(+1は同一内容のA5版 製品です。) ■内海治夫 ドレミだけで演奏できる アルトリコーダーのための小品集 http://www.recorder.jp/contemporary/rc010.htm  ほとんどのアルトリコーダー教本は「ドレミ」あたりの練習で始まります。 ここでしっかりと左手の適切な扱いに慣れておくことが上達をスムーズにして くれます。本作は「ドレミ」だけを用いて豊かで多様な音楽的楽しさを実現した 稀有の曲集です。 ■シックハルト アルトリコーダーソナタ 第19番 イ長調 http://www.recorder.jp/piece/2/2182.htm  北欧で活躍したドイツ人作曲家・シックハルトが作曲し、ブリュッヘンらが再 配列した「すべての調による24のソナタ 作品30」より、第19番・イ長調の ソナタです。なかなか演奏し辛いのですが、苦労のしがいのある佳品です。 ■コレルリ トリオソナタ集 第3巻 http://www.recorder.jp/classic/sr/sr092.htm  Duo Affettuoso のお二人に演奏をお願いしている好評のシリーズ。作品1-7 から作品1-9までの3曲を収録しました。別冊パート譜2冊、低音パート譜も 付属する豪華版です。 ……………………………………………………………………………………………… ★7 編集後記 ………………………………………………………………………………………………  友人が「都合で行けなくなったから」とチケットをくれたので、大阪いずみホ ールで行なわれた、シューベルトの連作歌曲「美しき水車小屋の娘」の演奏会に 行って来ました。  とてもいい演奏だったと思うのですが、残念なことに私にとっては「ホールが 響きすぎ」で、ピアノが濁って何をやっているかわからない箇所がかなりあった のを残念に感じました。ピアノで弾かれている音たちの移り行きがゆっくりして いればいいのですが、激しく弾かれてしかも速い動きのときは、残響音が急速に ふくれ上がって、後続の音たちの運動を包み込んでしまうのです。  もっとも、やはり聴きに来られていた弊社サポーターTさんは、そうは感じなか ったとのことで、「席の違いのせいでしょうか」とおっしゃっていました。私は 「シューベルトの歌曲はこんなに広くてよく響く会場で演奏するのは無理なのか も」とまで思ったのですが、そういえば私の席は1階のかなり奥の方でしたから、 もっと舞台に近い席ならば違ったのかも知れません。  なにしろ、私はあれでは少し困るのです。歌曲の伴奏で、16分音符などの細か な速い音符で分散和音を弾いているのなど、和声の響きと、あとはおよそのリズ ム感とが伝われば大方の目的は達せられるかも知れませんが、私の場合は、そう いう箇所でもできる限りひとつひとつの「どの音も」、どう弾かれたのか、どの ように楽句が造形されたのかをはっきりと聴き取りたいのです。あんなに響いた のでは、それが難しい。  もっとも歌曲のピアノはしょせん伴奏ですから、そう細かいことまでくっきり 聴こえなくても、まだしも害は少ないでしょう。私だけが「お門違いの無いもの ねだり」をしているのかも知れません。しかし、極端な話、このホールでモーツ ァルトのピアノソナタを弾かれたら、もう絶対にダメだろうな、としか私には思 えませんでした。たぶんそういう演奏会もあるんだと思うのですが、みんなどう 思っているんだろう?  私見では、モーツァルト(に限らず多分18世紀後半のピアノ曲)においては、 どんなに速い音型でも、それは「だいたいの雰囲気や響き」を表現しているので はありません。歌なのです。効果音・雰囲気音に堕してはならないのです。  それに対して、19世紀に差し掛かる頃に、ベートーヴェンを代表的な旗手と して登場してくる「公開演奏会用の音楽」においては、多数の(経時的に現れる) 音たちが、ひとかたまりになって、ある雰囲気や効果を伝える役目をすることも 多くなってきます。したがって、「どの音もくっきりと」までは聴こえなくても いい場合も出てきました。  たとえば「熱情ソナタ」の第1楽章、テーマの提示部分で、「運命の動機」を 何度か繰り返した後に、猛烈な速さで、減七の和音がジグザグ分散で下ってくる 衝撃的なパッセージがあります(14-15小節)。これなどは、いわば全体として閃光 か稲妻のような・・・とにかく「歌」ではない何かでしょう。こういうものにお いてならば、ひとつひとつの音の表情よりも、全体としての勢い(速度)や、カ タマリになって迫ってくる響きの力強さのほうが、はるかに大切であるかも知れ ません。  しかし、モーツァルトたちの音楽には、この種の音は基本的に含まれていない ように私は思っています。どの楽句においても、ひとつひとつの音が歌っていな くてはならない。言い換えれば、音楽を構成するどの音も、いわば旋律の構成音 なのであり、自分が表現すべき「それぞれ独自の内容」を持っているのです。だ からこそ、各音が、先行する音の響きに埋もれることなく、くっきりと聴こえる ことがぜひ必要となります。  ※ いわゆる「カデンツァ」のような部分には例外もあると思いますが  これは、バロック音楽にもかなり通じることなので、バロックのリコーダー曲 をチャペルなど「よく響く会場」で演奏する場合は、考えに入れたほうがいいか も知れません。まぁ装飾的走句なら響きで多少潰れてもいいとしても、「ちゃん と聴こえなければならない旋律線(通奏低音なども含めて)」や和声の移行がぼ やけてしまっては残念でしょう。とすれば、あまり速いテンポはいけないという ことになります。  まぁ、演奏して自分たちが楽しむ分には、関係のない話なのですが。 (RJPディレクター 石田誠司) ------------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                             113号 2017. 2. 22. ------------------------------------------------------------------------ 編集・発行 リコーダーJP http://www.recorder.jp info@recorder.jp ※このメールマガジンは、お申し込みにより配信しています。もしも間 違いやいたずらの登録により配信がなされている場合や、購読を停止 される場合は、リコーダーJPダイレクトの皆様ならば、お手数ですが、  上記 info@recorder.jp まで「メールマガジン不要」などの題でメー  ルでお知らせください。「まぐまぐ」からお申し込みいただいた皆様  は、  http://www.recorder.jp/magazine_mag2.htm  から配信停止のお手続きをお願いいたします。 ※リコーダーJPからの配信は「B.C.C.配信」です。