-----------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                          118号 2017. 7. 22. ------------------------------------------------------------------------ ★ごあいさつ★  いつの間にか梅雨が明けて、大阪も連日暑い日が続いています。  みなさまお元気でお過ごしでしょうか。  いつもご愛読ありがとうございます。RJPメールマガジン、第118号をお届け いたします。 RJP刊行物総合カタログ(2017年春夏号) http://www.recorder.jp/rjpcatalogue.pdf ■目次■  <ごあいさつ> 1 そう楽舎「テレマン祭り」プレ演奏会 (8/1 大阪) 2 本村睦幸・小さな室内楽 in 関西 「ナポリとドイツ」(8/5 大阪) 3 そう楽舎「テレマン祭り」 (8/15 大阪) 4 「フランスの音」 (9/4 東京 9/6 大阪) 5 2017年7月の新刊 6 編集後記 ……………………………………………………………………………………………… ★1 そう楽舎「テレマン祭り」プレ演奏会 (8/1 大阪) ………………………………………………………………………………………………  テレマン没後250年を記念する企画です。テレマンの多彩な作品を集めて。 バロックオーボエ・リコーダーの赤坂放笛さん、フルートとリコーダーを演奏さ れる森本英希さん、チェンバロの吉竹さん。RJP後援。 http://www.recorder.jp/events/170801.htm ……………………………………………………………………………………………… ★本村睦幸・小さな室内楽 in 関西 「ナポリとドイツ」(8/5 大阪) ………………………………………………………………………………………………  リコーダー奏者・本村睦幸氏とチェンバロ奏者・三和睦子氏による休憩なし 60分のトークコンサート。本村先生はお馴染みのかたが多いと思いますが、三和 先生も、知る人ぞ知る通奏低音の名人、古楽器製作家・平山照秋さん大推薦の演 奏家です。 http://www.recorder.jp/events/170805.htm ……………………………………………………………………………………………… ★3 そう楽舎「テレマン祭り」 (8/15 大阪) ………………………………………………………………………………………………  バロックオーボエ&リコーダー奏者、赤坂放笛さんの「そう楽舎」主催公演。 豪華な顔ぶれの演奏会です。前々日(日曜)には、無料の公開リハーサルとワー クショップもあります。  詳細はそう楽舎サイト参照→ http://www.geocities.jp/souraku_umami2000/  RJPが後援します。 http://www.recorder.jp/events/170815.htm ……………………………………………………………………………………………… ★4 「フランスの音」 (9/4 東京 9/6 大阪) ………………………………………………………………………………………………  ヨーロッパを中心に活躍する3名と日本で活躍する3名の6名編成のアンサンブ ルによる演奏会です。マリー・ルクレール、クープラン、ルベルらの作品。 http://www.recorder.jp/events/170904.htm ……………………………………………………………………………………………… ★5 2017年8月の新刊 ………………………………………………………………………………………………  8月は2タイトル(+1)がリリースになります。(+1は同一内容のA5版 製品です。) ■積志リコーダーカルテット編曲集 第13集 http://www.recorder.jp/sheet/f029.htm  第12集まででいったん完結とした「積志リコーダーカルテット編曲集」の 続編、ファン待望の「第13集」です。ビートルズの「イエスタデイ」、テレ サ・テンのヒット曲「時の流れに身をまかせ」ほか充実した8曲。  今後、第15集まで発刊の予定があります。 ■J. B. ルイエ アルトリコーダーデュオソナタ 第1番 http://www.recorder.jp/piece/3/3059.htm  48曲の通奏低音つきアルトリコーダーソナタで知られるルイエ(ド・ガン) のソナタから6曲を選んでアルト二重奏に編曲したWalsh出版のソナタ集から、 第1番・イ短調です。 ……………………………………………………………………………………………… ★6 編集後記 ………………………………………………………………………………………………  最近木製リコーダーを新調したのですが、従来(十数年前〜数年前)の楽器に 比べて低音がシッカリ鳴るようになっているなと思いました。  以前は、バロック型リコーダー(円錐管)の低音が弱いのは仕方がない、と思 われていたフシがあったようで、最近はその考えを改めて低音も重視した楽器づ くりに移行しているようだ、というお話をききました。私は初めてルネサンス型 リコーダー(円筒管)をきいたとき、その力強い低音に驚きましたので、あるい はそんなこと(ルネサンス型がしだいに普及していること)の影響もあるのかなぁ と思ったり。  なにしろ、「木製バロック型リコーダーも進化しているんだな」と思いました。  *   *   *   *   *   *   *   *   古楽演奏の最先端では「オリジナル運指リコーダー」がもてはやされており、 そうでなくとも、専門奏者の先生がたの演奏会では、作品の年代や国に合わせて、 運指もピッチも種々さまざまな楽器をずらりと用意し、曲によってつぎつぎに持 ち替えて用いて演奏してくださるようなことも、多くなりました。フルートのほ うでも、よくそんな演奏会がありましたね。  しかし、関西のある著名な専門奏者の先生は「そういうのが嫌い」だそうです。 「今ある(普通の)楽器でいかに演奏するかを探求するのも、専門奏者の大事な 仕事だ」とおっしゃっているとのこと。  お弟子さんからそのお話を伝え聞き、私とすれば、久々に我が意を得た思いで した。そこで、勇気を得て、この問題をめぐる考えをすこし詳しく述べてみたい と思います。  *   *   *   *   *   *   *   *   「古楽」が、その方法論的な根幹に「むかしの(作曲当時の)楽器や演奏法に 忠実な演奏をこころみる」というベクトルを持っている以上は、今後もつねに、 このような(古式通りであることをめざすオリジナル志向の)試みはあり続ける でしょうし、また、それが、より良い音楽演奏の探求に役立つ面は、これからも あるのでしょう。  ただ、そうした取り組みに研究としての意義があるのは十分に認めるとしても、 古楽系演奏家の皆さんには、「他方で、現代の音楽家としてのバランス感覚を失 わないでもらいたい」と、私は願っています。功罪はあったとしても、ともかく もイギリス運指のバロック型リコーダーがこれだけ普及し定着したのですから、 音楽演奏の探求においては、この現実を土台として積み上げていくという方向性 を、見失わないようにしていただきたいと思うのです。  *   *   *   *   *   *   *   *   もっとハッキリ言えば、 ★ オリジナル運指や特殊ピッチや特殊キー(G管、B管、E管‥‥)などの楽  器の利用は、原則として研究・参考の目的にとどめる ★ 実際の演奏活動は、原則としてモダンピッチ(A=440〜442Hz)または『バ  ロックピッチ(A=415Hz)』の、イギリス運指リコーダーで行なう という基本スタンスを、再確立していただきたいと私は願います。  そして、オリジナル運指の楽器等々を用いてみることで得られたいろいろな発 見・知見があったのなら、その成果を、イギリス運指リコーダーによる演奏の改 良に結実させることをこそ、めざしていただきたいと私は思います。  なぜなら、早い話、たとえば「オリジナル運指」の楽器を特注で手に入れて使っ ていけるアマチュア奏者が、どれほどいるでしょうか。いや、専門奏者でもそん なに裕福な人ばかりではないでしょう。つまり、過度の「オリジナル楽器指向」 は、音楽演奏への参加について、門戸を著しく狭めてしまうのではないか。  まして、少しずつ違う時代や地域の曲を演奏するために、曲に合わせて仕組み やピッチが少しずつ違う多数の楽器を用意しなければならないのだとすれば、いっ たい何本の楽器を用意し、習得しなければならないのか。  *   *   *   *   *   *   *   *   むろん、そういうマニアックな趣味も、あっても良い。それはご自由でしょう。  そして専門家による「研究」のほうも、これまた、もちろんあってもよい(必 要だと言ってもいいかも知れない)。しかし、少々極論ぎみに申せば、「その研 究成果は、主としてイギリス運指リコーダーで音楽を演奏するというストリーム のために奉仕させるべきものだ」と私は考えます。  少なくとも、その逆は困る。つまり、せっかくそれなりに確立され根付いてき た、このリコーダー演奏の文化(くどいようですが、イギリス式運指バロック型 リコーダーを中心とする音楽演奏文化)を破壊されるのは、まっぴら御免だとい うことです。  したがって、もし、そのような破壊を厭わないような、あるいはそうでなくと も、そのような破壊作用を併せ持っていることを自覚していないような「古楽最 先端」ならば、私はそんなものを尊重する気にも応援する気にもなれないのです。  リコーダー音楽の世界が今後も健全に発展していくことを私は心から願ってい ますし、微力ながらそのためにこれからも自分にできることをやっていくつもり です。 (RJPディレクター 石田誠司) ------------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                             118号 2017. 7. 22. ------------------------------------------------------------------------ 編集・発行 リコーダーJP http://www.recorder.jp info@recorder.jp ※このメールマガジンは、お申し込みにより配信しています。もしも間 違いやいたずらの登録により配信がなされている場合や、購読を停止 される場合は、リコーダーJPダイレクトの皆様ならば、お手数ですが、  上記 info@recorder.jp まで「メールマガジン不要」などの題でメー  ルでお知らせください。「まぐまぐ」からお申し込みいただいた皆様  は、  http://www.recorder.jp/magazine_mag2.htm  から配信停止のお手続きをお願いいたします。 ※リコーダーJPからの配信は「B.C.C.配信」です。