-----------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                          131号 2018. 8. 26. ----------------------------------------------------------------------- ★ごあいさつ★    昨日の大阪の最低気温は29℃でした。厳しい残暑が続いている地方が多いと 思いますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。  いつもご愛読ありがとうございます。RJPメールマガジン、第131号をお届け いたします。  今回は、「編集後記」で、「RJPの一大決心」について書かせていただきまし た。久々に大風呂敷を広げましたので、ご笑覧ください。 RJP刊行物総合カタログ(2018年春夏号) http://www.recorder.jp/rjpcatalogue.pdf ■目次■  <ごあいさつ>  1 クープラン賛 [赤坂放笛、森本英希、神谷徹] (8/31 大阪)[再掲]  2 東山道リコーダーまつり (9/8 長野)  3 悲しみに沈む心・20世紀イギリスのリコーダー音楽 (9/9 東京)[再掲]  4 Italian Connection [吉嶺文晴] (9/12 東京) [再掲]  5 クープラン賛 [そう楽舎 赤坂放笛 太田里子] (9/22 奈良) [再掲]  6 バロック音楽のひととき [リベラ・バロッコ] (9/24 北海道) [再掲]  7 上野学園ミュージアムコンサート [太田光子・山岡重治] (9/28 東京)  8 愛しのカッチーニ アントネッロ公演 (10/3 東京)  9 バロック室内楽の夕べ カメラータ・ムジカーレ演奏会 (10/13 東京) 10 美術館で 歌&リコーダー、ガンバ、チェンバロの調べ(10/13 長野) 11 La Favorite [野崎剛右] 10/13長野 10/17東京 10/20愛知) 12 2018年9月の新刊 13 編集後記 ……………………………………………………………………………………………… ★1 クープラン賛 [赤坂放笛、森本英希、神谷徹] (8/31 大阪) [再掲] ………………………………………………………………………………………………  バロックオーボエ&リコーダー奏者・赤坂放笛さんの「そう楽舎」の公演。 気合の入った企画です。必聴! http://www.recorder.jp/events/180831.htm ……………………………………………………………………………………………… ★2 東山道リコーダーまつり (9/8 長野) ………………………………………………………………………………………………  リコーダー奏者であり古楽情報誌「アントレ」編集長である品川治夫先生が 発起人となって行なわれているイヴェントだそうです。 http://www.recorder.jp/events/180908.htm ……………………………………………………………………………………………… ★3 悲しみに沈む心〜20世紀イギリスのリコーダー音楽〜 (9/9 東京)[再掲] ………………………………………………………………………………………………  リコーダー奏者・中川つよし氏が出演。現代のリコーダー作品を集めためずら しいプログラムの演奏会です。 http://www.recorder.jp/events/180909.htm ……………………………………………………………………………………………… ★4 Italian Connection [吉嶺文晴] (9/12 東京) {再掲} ………………………………………………………………………………………………  イタリア・バロックの諸名品と日本の傑作を集めたプログラム。演奏会後にレ ッスン会も行なわれます(50分7000円、要予約)。 http://www.recorder.jp/events/180912.htm ……………………………………………………………………………………………… ★5 クープラン賛 [そう楽舎 赤坂放笛 太田里子] (9/22 奈良) [再掲] ………………………………………………………………………………………………  バロックオーボエ&リコーダー奏者・赤坂放笛さんの「そう楽舎」の公演。 共演の太田里子さんもすばらしい演奏家です。 http://www.recorder.jp/events/180922.htm ……………………………………………………………………………………………… ★6 バロック音楽のひととき [リベラ・バロッコ] (9/24 北海道) [再掲] ………………………………………………………………………………………………  札幌市を中心に活動しているアンサンブル・リベラバロッコの演奏会です。 ゲストとして安藤由香さんが出演。 http://www.recorder.jp/events/180924.htm ……………………………………………………………………………………………… ★7 上野学園ミュージアムコンサート [太田光子・山岡重治] (9/28 東京) ………………………………………………………………………………………………  日本を代表するリコーダー演奏家・山岡重治氏と太田光子氏が出演される演 奏会です。浅井愛氏・高橋明日香氏ら出演の「プレコンサート」もあり。 http://www.recorder.jp/events/180928.htm ……………………………………………………………………………………………… ★8 愛しのカッチーニ アントネッロ公演 (10/3 東京) ………………………………………………………………………………………………  リコーダー演奏家・濱田芳通氏が主宰する古楽アンサンブル「アントネッロ」 の公演です。「アマリリ麗し」で知られるカッチーニの没後400年を記念。 http://www.recorder.jp/events/181003.htm ……………………………………………………………………………………………… ★9 バロック室内楽の夕べ カメラータ・ムジカーレ演奏会 (10/13 東京) ………………………………………………………………………………………………  40年もの長きにわたり活動を続けていらっしゃる古楽アンサンブル 「カメラ ータ・ムジカーレ」の演奏会です。 http://www.recorder.jp/events/181013c.htm ……………………………………………………………………………………………… ★10 美術館で 歌&リコーダー、ガンバ、チェンバロの調べ(10/13 長野) ………………………………………………………………………………………………  イタリアにおけるバロック音楽の黎明から、その影響を受けて花開いた盛期 バロックの傑作へと至る道程をたどる演奏会です。 http://www.recorder.jp/events/181013b.htm ……………………………………………………………………………………………… ★11 La Favorite [野崎剛右] 10/13 長野、10/17 東京、10/20 愛知) ………………………………………………………………………………………………  新進リコーダー奏者・野崎剛右さんのコンサートです。長野(小諸)、東京、 名古屋の3公演。 http://www.recorder.jp/events/181013.htm ……………………………………………………………………………………………… ★12 2018年9月の新刊 ………………………………………………………………………………………………  8月は4タイトル(+1)がリリースになります。(+1は同一内容のA5版 製品です。) ■コレルリ トリオソナタ 第12番 http://www.recorder.jp/piece/2/2194.htm  人類の至宝と言ってよいコレルリのトリオソナタをリコーダーで演奏できる シリーズとして、好評をいただいてきたシリーズの、ひとまず最終曲です。 ■西部哲哉《四季》  〜リコーダー四重奏のためのディヴェルティメント 第3番〜 http://www.recorder.jp/sheet/f036.htm  吉澤実先生が、「小学生から高齢者までが世代を超えて楽しめる、アンサン ブルでも楽しめる技術的に難しくない曲を」と西部哲哉氏に委嘱して作曲され ました。やさしく演奏できて美しい傑作です。(楽譜のみ) ■リコーダー音楽叢書 テレマン ソナタ集 第7巻 http://www.recorder.jp/classic/sr/sr099.htm  テレマンがアマチュアのために書いた「装飾範例つきソナタ」の第10番 から第12番までを収録。アルトリコーダー用です。 ■シェドヴィル「忠実な羊飼い」第2番 http://www.recorder.jp/classic/re/re005.htm  生演奏による伴奏を収録した「アコースティック」シリーズの第5弾。 チェンバロ(スピネット)演奏は高橋たかねです。 ……………………………………………………………………………………………… ★13 編集後記 ………………………………………………………………………………………………  石田は間もなく還暦を迎えます。そろそろ、「生きている間に、あと何ができ るのか」を考えなければならなくなりました。  そして、決めました。  リコーダーJPは、今後10年間をメドとして、「後期バロック通奏低音伴奏ソナ タの、音源つき楽譜の網羅的出版」を本気で目指すことにいたしました。  また、これまた相当数が残されている、後期バロックの無伴奏二重奏曲につい ても、できる限りの網羅を目指したい考えです。  新作や編曲譜の出版をやめるということではありませんが、第一の目標はここ に置きたいと思います。     *   *   *   *   *   *  なぜ「後期バロック」なのか。  まず、「リコーダーファンが使っているリコーダーは、後期バロック型の楽器 である」ということがあります。  多くの人が使っていらっしゃる樹脂性リコーダーのすべて、そして、圧倒的多 数の木製リコーダーも、「バロック型」のリコーダーであって、これは、後期バ ロックの時代に用いられていたものです。申すまでもなく、この楽器のために書 かれたのが「後期バロックのリコーダー作品」なのです。  少し古い、たとえばファン・エイクの「笛の楽園」などは、円筒管の「ルネサ ンス型リコーダー」で演奏されることが多くなっていますが、ルネサンス型のリ コーダーは、まだまだそれほど一般的ではありません。多くのアマチュア愛好家 が演奏して楽しんでいるのは、円錐管の「バロック型リコーダー」でしょう。  また、後期バロックの小規模アンサンブル作品は、クラシック音楽で最も親し まれている古典派〜ロマン派の音楽とも通い合う性質が強く、その語彙や表現内 容が現代の私たちにとっても比較的わかりやすい、ということがあります。  思うに、後期バロックの時代に至ってようやく、先行していたイタリアに続い て、オランダ、次いでイギリス、さらにドイツの諸都市にも裕福な市民層が形成 されるようになり、「アマチュアの音楽愛好家」たちの小規模室内楽作品に対す る需要が大きくなってきたのでしょう。  アルトリコーダーのための多数の出版作品は、そういう需要に応えることを、 おもな目的として生まれたものだと私は考えます。同様の意図で書かれたのに出 版物では残っていない(筆写譜だけで残っている)同時代作品も含め、この時代 のリコーダー作品が、ふつうの市民である私たちの嗜好に合致しやすいのには、 それだけの理由があるのです。  そういうわけで、リコーダー用のオリジナル古典作品の中でも、ある程度目標 を絞り込む必要があるとすれば、後期バロック作品に絞るべきだと考えました。     *   *   *   *   *   *  また、このような考え方から、同じ後期バロック期に属する作品であっても、 「王宮のための音楽や、ほぼプロだけのために書かれた音楽」は、後回しにした いと思っています。アマチュア愛好家の必要をしっかり視野に入れ、むしろそれ こそを最も重視して書かれているような作品を、なるべく優先していきたい。  RJPが、テレマンの「装飾範例つきソナタ」(フルートまたはヴァイオリンのた めの作品)を、「きっと、テレマンはリコーダー用への転用も視野に入れていた に違いない」などと、たいした根拠のない無理やりなことを言ってまで、アルト リコーダー用に直して出版したりする一方、一部の皆さんから何度も要望をいた だいてきたにもかかわらず、オトテールの作品やヴィヴァルディーの作品(協奏 曲)を頑として取り上げてこなかったのは、そのような考えに基づいています。  今もその考えに基本的な変わりはありませんので、できるだけ、アマチュアの ための作品を優先したいと思っているのです。(もっとも、ヴィヴァルディーの リコーダー用通奏低音つきソナタは2曲ぐらいしかありませんので、それっぽっ ち、このさい、とっとと出版してしまおう、とは思っています。)     *   *   *   *   *   *  「後期バロック作品の網羅」・・・これは、けっして「唐突に思いついた」こ とではありません。発足以来、一貫して、「いつか、アマチュアのための後期バ ロック作品だけでも、網羅できればなぁ」と、思い続けてきました。  そして、「バルサンティ(6曲)は全部できた」「マルチェロ(12曲)は全 部できた」「ルイエ(48曲)も全部できたぞ!」などと、小さな「コンプリー ト」をするたびに、「また1歩、遠い目標に近づいたかな」と思って、喜んでい たのですが・・  しかし、今回、少し調べてみて、「未刊行曲のあまりの多さ」に、実は、かな り愕然としました。イタリア・イギリス・ドイツあたりについて、ざっとリスト アップしてみただけでも、未刊行作品は400曲をはるかに越え、フランスものを加 えると、さらに膨大になります。    *   *   *   *   *   *  ここ数年、中心的業務として取り組んできたWeb講座の制作も、ようやく一段落 し、出版事業をしっかりおこなえる体勢が徐々に整ってはきました。それにして も「10年で500曲以上」の制作・出版というのは、RJPの現在の力量のままでは、 とうてい不可能です。過去、「出版1本」で、最もガムシャラにやっていたころ でも、「月に3曲」がせいぜいで、1年で50曲以上(=月に4〜5曲)というの は、RJP的常識においては、「あり得ない」数なのです。  ですが、「できっこないや」と、簡単に諦めるのは、石田の性に合いません。  「うーん、普通は無理っぽいか・・・でも、俺ならできるんじゃないか?」と、 あつかましく考えるアホさが石田の真骨頂です。(そうでなければ、多分、最初 からこんな仕事をしていません(笑))  そこで、このところ、  「本当に不可能なのか? どうすればそれが可能になるのか?」 と、懸命に、ない知恵をしぼっております。  むろん、考えるまでもなく、多くの人たちのご協力がなければなしとげられな いのは自明です。したがって、サポーターさんたちや、有償で仕事を請けてくだ さる人たちのご協力を、どのように効率的にマネージメントできるかが、カギを 握っていそうです。  資金力の問題もあり、RJPはほんとうに非力です。しかし、音楽とリコーダーの ために、どのように「最後のひと頑張り」ができるのか、とぼしい知恵と力とを、 カラカラにひからびるまで、ふりしぼってみたいと思っております。    *   *   *   *   *   *  とはいえ、皆様からご覧になると、来春あたりからは、「聞いたこともないよ うな作曲家の、珍しい作品が、ぞくぞくと発刊されているな・・・」ということ になると思います。  果たして、どれぐらい買っていただけるのか、どの程度、必要としていただけ るのか。  出版社としては、実はそれがたいへん心配なのです。  しかし、力の続く限り頑張ります。  皆様のご支援を願ってやみません。 (RJPディレクター 石田誠司) ------------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                             131号 2018. 8. 26. ------------------------------------------------------------------------ 編集・発行 リコーダーJP http://www.recorder.jp info@recorder.jp ※このメールマガジンは、お申し込みにより配信しています。もしも間 違いやいたずらの登録により配信がなされている場合や、購読を停止 される場合は、リコーダーJPダイレクトの皆様ならば、お手数ですが、  上記 info@recorder.jp まで「メールマガジン不要」などの題でメー  ルでお知らせください。「まぐまぐ」からお申し込みいただいた皆様  は、  http://www.recorder.jp/magazine_mag2.htm  から配信停止のお手続きをお願いいたします。 ※リコーダーJPからの配信は「B.C.C.配信」です。