リコーダーJP G. F. ヘンデル作品


ヘンデル
ヴァイオリンソナタ ホ長調 作品1-15

★この曲を収録したCDつき楽譜★

SV-036 ヴァイオリン用 2400円+税


★解題★

 ヘンデルのヴァイオリンソナタは、いわゆる「作品1」にぞくする、作品1−3、1−10、1−12、1−13、1−14、1−15を合わせた6曲とされてきたのですが、他にも自筆譜がみつかったりした曲がいくつかありますので、最近の演奏家がヘンデルのヴァイオリンソナタをまとめて取り上げるときには、それらの曲も演奏されるのが普通です。逆に、作品1−10、1−12、1−14、1−15については、自筆譜がみつかっていないうえ、当時の人の手で楽譜に「ヘンデル氏の作ではない」とメモ書きされているのがみつかったりしたため、真筆でない疑いも持たれており、除外して扱われることが多くなりました。

 そもそもヘンデルの「12のソロ 作品1」は1730年ごろアムステルダムのRodger版として出たのが最初ですが、これはロンドンのWalshがヘンデルにもRodgerにも無断で出した、一種の海賊版だったとのことです。次いで数年のちに、そのうち2曲のヴァイオリンソナタを別の2曲のヴァイオリンソナタに差し替えてWalsh版が出版されました。さらに旧ヘンデル全集(クリサンダー版)では、両版をあわせた計14曲に、新たに1曲のヴァイオリンソナタ(ニ長調・作品1-13)を加え、15曲から成る「作品1」を構成したのです。

 ずいぶんややこしい成立経緯ですが、これは元はと言えばWalshが「合計12曲」という体裁にこだわったために無理して曲をかき集めたのが原因だとされています。


★解説★

 作品1−15は晴朗で気品のあるすぐれたソナタです。

 第1楽章はアダージョ、4分の4拍子です。しっかりした足取りであたたかな感じの旋律線をたどります。

 第2楽章はアレグロ、4分の4拍子です。音階でかろやかに開始すると、休む間もなく活発に動きながら進みます。全体の形もぴしりと決まった、風格のある楽章です。

 第3楽章はラルゴ、2分の3拍子で、嬰ハ短調です。ここでも音階的な動きを中心として、悲しみを歌います。

 第4楽章はアレグロ、8分の3拍子です。多彩な音片を繰り出してリズミカルに進みます。前半・後半それぞれを繰り返しながら、ここでも非常に確かな形式造形がおこなわれていて、気持ちよく全曲を締めくくります。。

※ 演奏例がお聴きいただけます

■ヴァイオリンによる演奏
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽j章
※ヴァイオリン演奏: 串田えがく  電子チェンバロ(Roland C-30)演奏: 石田誠司

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