リコーダーJPって・・・・

なぜ「アルト」のリコーダーにこだわるの?


 リコーダーJPでは、将来はソプラノリコーダーやテナー・バスリコーダーなども視野に入れていきたいと思っています。しかし、現在のところ、「ソプラノなど他のリコーダーではなく、アルトリコーダー独奏」を、ご提案の中心にしているのは確かです。

 なぜ、私たちがアルトリコーダーにこだわり、アルトリコーダーをお勧めするのか、ご説明しておきましょう。

●大作曲家にも最も愛されたアルトリコーダー●

 ドイツのヘンデル、バッハ、テレマン、イタリアのヴィヴァルディーといった、バロック時代の大作曲家たちは、みんなアルトリコーダーのためにすばらしい独奏曲や協奏曲を書き残しました。こうした古典作品の中にも、ソプラノリコーダーのための曲やソプラニーノリコーダーのための曲、また逆にバスリコーダーのための曲もないわけではありませんが、作品数といい、また作曲家が託した音楽の豊かさといい、アルトリコーダーが、作曲家たちに群を抜いて愛されていたことは、まったく明らかです。

 なぜ、アルトリコーダーが、こんなに愛されてきたのでしょうか?


●すぐれた音域バランス●

 かなり低くてふくよかな音のする「ファ」の音から、空を舞うように高く澄んだ「高いソ」の音までが、アルトリコーダーの正規の音域です。これは、フルートの音域に近い、独奏楽器としてほとんど理想的な音域なのです。

 これに比べると、ソプラノリコーダーは、「低い音だな」と思えるような音がありませんし、テナーリコーダーになると、今度は、澄み渡った高い音が出なくなります。アルトリコーダーが、独奏楽器としての音域バランスの点で、もっともすぐれているのです。

●適度にやわらかで適度に通る絶妙の音色

 そして、ソプラノリコーダーの軽快な音色も確かに独特の魅力がありますし、テナーリコーダーの渋くて落ち着いた音色にも、そこにしかない味がありますが、やはり女性の歌声のように適度にふくよかで、適度に通りよく響くアルトリコーダーの音色には、きわだった魅力があります。

 このことは、実際に、しばらく吹き比べてみるとわかります。アルトリコーダーの音は、ソプラノほどかん高くないので、聴き疲れがせず、室内での演奏に適しているのです。これに対して、たとえばソプラノリコーダーの軽快ではあるものの鋭さを持つ音色は、大きな会場での伝達性にはすぐれていますが、逆に狭い室内で演奏すると、やや耳につき、聴き疲れがしてきます。もちろん、ときどきはソプラノリコーダーの音もいいものですが、いつも座右に置いて、気の向くままに演奏してみるとき、いつもしっくりと心に染みてくるのは、やはりアルトリコーダーの音色だと思います。

●軽快なサイズ●

 サイズが小さいということで言えば、ソプラノリコーダーはもっと小さいのですが、アルトリコーダーも十分に小さくて、3つの管に分ければ、大き目のハンドバッグになら入ってしまいます。男性ならばコートの内ポケットにしのばせておくことだって、造作もないでしょう。

 と言っても、もちろん、そんなことを無理にお勧めしようというのではありませんが、そんなことも可能であるぐらいの、このコンパクトさ軽快さは、やはり魅力の一つです。私などもカバンにいつも気に入りの木製アルトリコーダーを一本入れており、出先で少し時間が余ったときなどに、一人でしばし演奏して心からの楽しさを感じたりしています。



●けっきょく・・・●

 アルトリコーダーは、大作曲家たちに愛されただけの、音域バランスの良さと音色の美しさを兼ね備えたすぐれた楽器である上、アマチュアが気軽に演奏して楽しむ上で、室内での演奏に向いた適度にやわらかな音色といい、そしてコンパクトで軽快なサイズといい、まったく申し分のない、絶妙のよさを持っているということなのですね。
リコーダーJP ディレクター 石田誠司



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