バッハのシチリアーノ
★一度聞いたら忘れられないメランコリックなメロディー★
この曲が収録されている製品
RA-004
★バッハの作として知られるフルートソナタの数ある楽章の中でも、もっとも親しまれてきた名曲です。
★チェンバロ伴奏は西原武さんによる気品ある演奏です。
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★曲目解題★
バッハのフルートソナタとして、通奏低音またはオブリガートチェンバロの伴奏がつけられている作品は7曲ほどが知られています。その中には、名作中の名作として名高いロ短調・BWV1030のソナタも有名ですが、とくにバッハのファン・クラシック音楽のファンというのでなくても、このシチリアーノはどこかで耳にされたことがあるでしょう。それほど親しまれてきた名作です。
ところが、驚くべきことに、現在の学者たちの説では、このシチリアーノを含むBWV1031の変ホ長調ソナタは、バッハの真作でない可能性が高いといいます。息子たちの誰か、あるいは弟子たちのうちの誰かの作品ではないかというのです。しかし、もしそうだとしても、作品そのもののすばらしさには何の変わりもありませんから、フルート奏者たちは今でもよく演奏会で取り上げます。また、バッハのフルートソナタを録音するさいには、この曲も逸することなく含めているようです。
実際、第1楽章の親しみ深い語り口も何とも言えず魅力的ですし、それ以上に、この第2楽章・シチリアーノのしっとりとしたメランコリックなメロディーは、一度聴いたら忘れられない魅力にあふれています。
オブリガートチェンバロの曲で、チェンバロの右手も楽譜に記されていますが、奏者は普通、適度に音を補いながら弾きますので、リコーダーJPの伴奏CDにおいても、多少、奏者(西原武さん)の裁量で自由に弾いている部分があります。また、チェンバロに「リュートストップ」とよばれる、独特な音色的効果をもたらすミュート装置を働かせて弾かれることが多く、その効果がすてきですので、リコーダーJPの伴奏CDでも、その音色を再現するようにこころみています。
こんなにやさしく吹けて、こんなに魅力的な作品は、なかなかありません。本当に大バッハの作品なのではないのでしょうか?