ソナタ ト短調 作品1の3
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★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
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★解題★
F.バルサンティの「リコーダーと通奏低音のための6つのソナタ 作品1」は、1724年にロンドンで出版され、早くも1727年に再版された、当時イギリスの人たちに人気を博したすばらしい曲集です。
バルサンティは楽器の演奏にも精通していたためかどの作品も楽器の特性によく合うようにつくられているといわれます。それだけではなく、楽想が豊かで輝かしく、演奏してもきいてもほんとうに楽しい、すぐれた作品がそろっています。また、曲によってはたいへん緻密に装飾を書き残しており、これは当時の「イタリア的装飾」のお手本としても非常に貴重なものです。
★解説★
5つの楽章から成り、緩・急・緩・急、そしてメヌエットという構成です。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)4分の4拍子。微妙な和声の味付けや半音階的な進行、終わり近くにあらわれる三連符など工夫が凝らされていて、平凡に堕さない佳品です。
第2楽章はアレグロ(快活に)4分の4拍子。規模が大きく、この作家らしい楽想が豊富で爽快な音楽です。後半の最初の4小節など、突如「えっ、何が起こったの?」と思わされるような意外性あふれる奇抜なモチーフで新鮮。前半部分で笛に出てきた走句がこんどは通奏低音にあらわれるなど技法的にも工夫が凝らされ、密度高くつくられています。
第3楽章はラルゴ(幅広く)、4分の3拍子。きよらかな感じのおだやかな歌で、気品があるすばらしい緩徐楽章です。途中は短調になって最後に少し高まりがあり、おだやかに終わります。
第4楽章は4分の2拍子のリズミカルなガボット。変奏曲になっていて、第1変奏はシンコペーションによる変化、第2変奏は速い音符と休符を使った生気あふれる変奏、そして第3変奏は華麗な16分音符の乱舞。演奏上の最大の難所はここになるでしょう。
第5楽章は4分の3拍子のヌエット。前半8小節・後半8小節に、4小節のコーダ(終結部)がついた小規模な曲ですが、丹念に彫琢された惚れ惚れするような作品です。Kさんの演奏例ではイネガルの手法を取り入れることにより、まさに踊り出したくなるような躍動感が出ています。
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−1)
第2楽章(C−2)
第3楽章(B−1)
第4楽章(C−2)
第5楽章(B−1)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏: :Maria Fogel さん チェンバロ(電子楽器)演奏:
石田誠司
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