リコーダーJP ボノンチーニ作品


室内嬉遊曲 第6番 ハ短調



★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
2157 リコーダー用 1500円+税
SR-080 リコーダー用 3800円+税
RG-157 リコーダー用 900円+税 絶版



★解題★

 ボノンチーニの器楽作品は若いころのものがほとんどなのですが、この「室内嬉遊曲集(DIVERTIMENTI da CAMERA)」は1722年の出版で、おそらく作曲家として脂の乗り切った50歳前後のころ、ロンドンに移って間もなくに書かれた8曲から成る曲集です。このころがボノンチーニの名声の絶頂に達したころでもありました。

 「嬉遊曲」というのは気晴らしのために演奏される気楽な音楽というほどの意味で、18世紀にさかんに書かれ、おもに貴族たちの食事の席や社交の場で、あるいは祝い事の折などに演奏された多楽章形式の器楽曲です。編成は大小さまざま、まったく自由で、小はピアノソロのための嬉遊曲(ハイドンなど)やピアノ連弾の曲(シューベルト)から、いくつかの楽器のアンサンブルによる室内楽形式の作品、そして大は管弦楽団による作品まで、いろいろとあります。モーツァルトは生涯のさまざまな機会に20曲ほどのすばらしい嬉遊曲を書きました。19世紀に入るとしだいに書かれなくなっていきましたが、のちに20世紀になってからバルトークやストラヴィンスキー、レナード・バーンスタインなどがこの名を冠した作品を発表しています。

 もともと嬉遊曲とは室内向けの音楽なのに、ボノンチーニはさらに「室内」を表す語を加えた題としたわけですが、それ自体あまり深い意味はないと思われます。詳しくいうと「ヴァイオリンまたはフラウト(=アルトリコーダー)のための室内嬉遊曲集」で、内容的には通奏低音つきソロソナタ集とみなして全く差し支えのないものです。そして、これをチェンバロ独奏に編曲した楽譜も出版されていたことは、この作品集に対する当時の人気ぶりを証する事実だと言えるでしょう。


★解説★

 4つの楽章から成っています。

 第1楽章はレント(ゆっくりと)、4分の4拍子です。最初に示した主要モチーフのリズム型を何度か繰り返しながら音楽を語り進め、やがて異なるリズム型を導入して前半を締めくくります。後半も主要モチーフを用いて始まりますが、最後に突如持ち出される16分音符の連続する音楽が非常に新鮮で、作曲者の非凡な才能は明らかです。


 第2楽章はコン・スピリート(元気に)、4分の3拍子です。16分音符4つから成る回音のようなモチーフを徹底的に展開する内容は実にみごとです。前半で15〜16小節、後半で37〜38小節にあらわれるゼクエンツの、胸を引き絞られるようなせつなさ! 本作の白眉でしょう。


 第3楽章はラルゴ(広びろと)、4分の3拍子です。同じメロディーをずいぶん何度も出してきますので、ある程度装飾・変奏を加えながら演奏することは必須になりそうです。


 第4楽章はヴィヴァーチェ(生きいきと)、4分の2拍子の終曲。十六分音符の活発な動きを中心に進む、キビキビした感じの佳品です。ただ、スラーのかけ方はヴァイオリンが強く想定された感じがしますので、リコーダーに合うように変更を工夫してもいいかも知れません。

※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−2)
第2楽章(C−2)
第3楽章(B−1)
第4楽章(C−2)

※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏: 長井 舞  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司



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