リコーダーJP コレルリ作品


ソナタ 作品5-4


Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★

RE-003 リコーダー用 1200円+税
(絶版)


★解題★

 イタリアバロックを代表する作曲家・コレルリ(コレッリ)の「作品5」は、2分冊12曲から成るヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集で、作曲家として脂の乗りきった40才代のころ1700年に出版されました。これは芸術的にも音楽史的にもきわめて重要な作品として、高く評価されている傑作です。当時もすぐさまその価値が認めれ、19世紀にかけて30数回も版を重ねました。そして、発刊の翌々年である1702年ごろには、早くもリコーダー用編曲の出版もおこなわれました。(7〜12番)

 しかし、1〜6番についての編曲譜は伝わっていません。そこで,現代の出版社が独自にリコーダー用に編曲した版がこころみられています。RJP版もそのひとつということになります。


★解説★

 第1楽章はアダージョ (ゆっくりと)、4分の4拍子。心が洗われるような、暖かできよらかな音楽で、後半の思いがこみあげる展開もすばらしいものです。最後の静かなしめくくりにいたるまで、まさに絶品。

 第2楽章はアレグロ (快活に)、4分の4拍子。同音連打を多く含むキビキビした感じのテーマを扱ってフーガふうに始まります。途中から16分音符が連続するはなやかなトッカータふうの音楽になり、そのなかでテーマのモチーフの展開も行われます。最後にはまたフーガ主題が回想され、アダージョの終結部によって静かにしめくくられます。アダージョの部分は、管の先を膝などでふさぎ気味にして発音する「低いミ」を用いる方法と、ふつうに正規音のみで演奏する方法の2つを示しました。また、原曲には重音が多いので、それをおもに前打音によりある程度保存するように編曲しています。

 第3楽章はヴィヴァーチェ (生き生きと)、4分の3拍子。跳躍進行が多く、ゆっくりブレスできる場所もないので、演奏はかなり大変です。特に、途中しばらく三連符による音楽が続きますので、これが演奏できるテンポを選ぶ必要があるでしょう。また、1拍目裏拍から始まる、いわゆる「頭欠け」のフレーズも多いので、フレーズの始点をしっかりとらえる注意が必要です。

 第4楽章は再びアダージョ、4分の4拍子ですが、こんどはニ短調で書かれた哀切なしらべです。最初のフレーズのあと印象的なフェルマータで間をとり、気持ちの高まりを描いたあと、音楽はどこまでもどこまでも沈んでいき、深い沈思のなかで半終止して第5楽章を呼び込みます。

 第5楽章はアレグロ、2分の2拍子の力強い終曲です。ここでも原曲の重音箇所はなるべく前打音を使って表現するようにしています。太い骨組みを感じさせるテーマのあと、音楽は三連符によるかろやかな動きになり、低音もそれに応えるようになります。低音とリコーダーとが、すばやくやりとりする掛け合いを演じたり、やや長い部分について役割を入れ替えて音楽を進めたりしつつ引き締まった音楽が展開され、最後はつぶやくようなピアノ (弱音)で終わります。全体として気品の高さがすばらしい、実に高貴な音楽です。



※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章 B−2
第2楽章 C−2
第3楽章 C−2
第4楽章 B−2
第5楽章 C−1
※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ (スピネット): 高橋たかね



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