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A. コレルリ

〜〜イタリアバロックの巨星〜〜


★モーツァルトと並ぶ天才★

 アルカンジェロ・コレルリ(Arcangelo Corelli)は1653年にイタリア北部の、ボローニャに近いフジニャーノという町に生まれた、バロック中期のヴァイオリニスト・作曲家です。少年時代にボローニャでヴァイオリンを学び、17歳のときにはアカデミア・フィルハモニカ(音楽協会)の会員と認められました。この音楽協会はずいぶん権威のあるもので、栄誉ある会員になれるのは20歳以上が原則でした。例外的に10代で入会が認められたのは長い歴史のなかでもたった二例で、その初ケースがコレルリ(そしてもう一人は、100年ほど後の少年作曲家・モーツァルト、当時14歳!)でした。


★コレルリとヴァイオリン★

 もう一つ忘れてはならないのは、コレルリが活躍した17世紀末というのはストラディヴァリウスほかの名工たちが、今日もなお越えることのできないすばらしいヴァイオリンを製作するようになった時代だったことです。天才的楽器製作者たちがヴァイオリンという楽器をかつてない美しい音色の楽器へと完成していく時代にあって、ヴァイオリニスト・作曲家として輝かしいイタリアヴァイオリン音楽の歴史を切り開いたのがコレルリなのです。


★寡作の天才★

 コレルリはバロック時代の作曲家としては多作な人ではなく、生前に出版された最後の作品が、「作品5」の12曲から成るヴァイオリンソナタ集でした。それ以前にはトリオ・ソナタ集(各12曲)を4つ出版しています。そしてこの時代の作曲家にはめずらしくミサその他の教会用合唱曲などは残っていません。ヴァイオリンの名手としてヴァイオリンを中心とするアンサンブル曲の作家に徹した人だったのです。

 死ぬ前にコレルリはそれまでに出版した60曲以外の作品の楽譜をすべて廃棄した(遺言で破棄させた)と言われています。それほど自己に厳しい芸術家だったのです。それらの中にはきっと私たちにとって十分に価値のあるすてきな作品がたくさんあったに違いなく、もったいない限りですが、それだけに残された作品はどれも完成度が高い珠玉の名品ばかりだというのが音楽好きの一致した意見です。


★晩年のコレルリ★

 晩年、コレルリはヘンデルと出会い、ヘンデルのオラトリオの演奏なども手がけていましたが、1708年ごろの活動を最後に演奏家としては引退し、最後の作品・合奏協奏曲の作曲に没頭して、苦心の末に12曲の協奏曲を仕上げました。しかしその出版を目前に控えてしだいに衰弱が激しくなり、1713年に亡くなりました。遺作となった作品6の合奏協奏曲集はいずれ劣らぬ佳品ぞろいで、とくに「クリスマス協奏曲」のあだ名で親しまれている8番は有名です。


リコーダーJPから出版のあるコレルリ作品
ソナタ 第1番
ソナタ 第4番
ソナタ 第7番
ソナタ 第8番
ソナタ 第9番
ソナタ 第10番
ソナタ 第11番
ソナタ 第12番 「ラ・フォリア」
トリオソナタ 第1番 作品1−1
トリオソナタ 第2番 作品1−2
トリオソナタ 第3番 作品1−3
トリオソナタ 第4番 作品1−4
トリオソナタ 第5番 作品1−5
トリオソナタ 第6番 作品1−6
トリオソナタ 第7番 作品1−7
トリオソナタ 第8番 作品1−8
トリオソナタ 第9番 作品1−9
トリオソナタ 第10番 作品1−10
トリオソナタ 第11番 作品1−11
トリオソナタ 第12番 作品1−12

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