リコーダーJP P. A. フィオッコ作品
ソナタ ハ長調
(試聴動画準備中)
全曲ノーカットで試聴できます
(YouTubeのリコーダーJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)
★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1860円(税込)
★解題★
いわゆる「バベル写本」に収録されていた貴重なソナタです。バロック時代のベルギーを代表する大作曲家の名に恥じないすばらしい作品。
★解説★
4つの楽章から成り、緩急緩急の「教会ソナタ」型です。発想表示が順にAdagio
- Presto - Adagio - Presto となっていて、「遅く、速く、遅く、速く」という、ここまで明快な指示はちょっと珍しいような気がします(どうでもいいことですが)。大作ではないものの、作曲者の力量を存分に示す、すばらしい出来栄えの珠玉の名品。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。低い位置からゆっくりと起き上がってくるようにリコーダーが歌い始めるや、華やかな装飾的走句を奏するという開始で「掴み」は上々でしょう。そして陰影に富むしっとりした叙情的な音楽が続きます。
第2楽章はプレスト(速く)、2分の2拍子のフーガふうの楽章です。リコーダーがハ長調で示した主題を、低音がト長調で「食い気味」に(「ストレッタ」で)模倣して始まります。ふつうのフーガの形をしているのはこの開始部分だけですが、リコーダーにも低音にもこのテーマを頻繁に登場させながら次々に新しいモチーフを導入し、それもまた両声部が互いにすかさず模倣しあいながら、緊迫感あふれる音楽をくりひろげます。みごとに構成された秀逸な楽章です。
第3楽章は再びアダージョ、4分の3拍子で、これもまた対位法家としての卓越した技量を示した楽章です、最初のフレーズは5度違い・1小節遅れで低音がリコーダーを追いかけるカノン、そして次のフレーズは、最初、同じく5度違い1小節遅れのカノンのように始まりますが、途中から低音が「1拍遅れ」で追いかけてくるようになります。楽章の後半ではここまでの離れ業はみられなくなるものの、これだけ高度な趣向を凝らしながら自然で平明な音楽に聴こえていることに驚かされます。
第4楽章は再びプレストで、4分の6拍子です。この楽章もフーガふうに、リコーダーによるテーマ提示を低音が5度下で模倣することで始まり、以下、主題の音型をつねにやりとりしながら音楽が進みます。じつに詩的で美しく、バロックソナタの名作のひとつたるを失わない、すばらしい終曲になりました。
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(C−1)
第2楽章(C−1)
第3楽章(B−1)
第4楽章(C−1)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏: 石田誠司 チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司
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