リコーダーJP マンチーニ作品


ソナタ 第5番 ニ長調

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★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
リコーダー用: 2189 1500円+税 

リコーダー用: RG-189 900円+税(絶版)
リコーダー用: SR-100 3800円+税
ダウンロード製品 リコーダー用 620円(税込)


★解題★

 マンチーニの「リコーダー(またはヴァイオリン)と通奏低音のための12のソナタ」は1724年にロンドンで出版されました。スカルラッティの下で働きながらも作曲家としてもっとも充実した時期に書かれた作品とあって、まんまんたる意欲がみなぎり、内容的に充実した、すばらしい作品集となっています。

 リコーダーのための多数のバロックソナタの中にあっても、激しい転調を駆使して濃厚な情緒をかもし変幻自在の表情を見せるマンチーニのソナタは、欠かすことのできない大切なものだといえるでしょう。


★解説★

 5つの楽章から成り、ニ長調(#が2つ)であるために指づかいが難しい箇所もありますが、緩徐な楽章の叙情的な魅力、快速なフーガ楽章の爽快感、そして軽妙な終曲まで、スキのない出来栄えで、マンチーニの12曲のソナタ中でも屈指の名品だと言えましょう。

 第1楽章はアレグロ(快活に)と指定された8分の3拍子の楽曲で、音階的な動きを中心としつつ、リズム感に工夫があって、2拍子系(16分の6拍子)の感じになる箇所をたくみに織り交ぜた、面白い音楽になっています。属和音で軽く終わりますので、間を置かずに第2楽章に入るのでしょう。

 第2楽章はラルゴ(広びろと)、4分の4拍子です。次々に転調していきながら語り進めるのはマンチーニによくあるつくりで、それがときには強引な感じを与えることもあるのですが、この曲では非常に成功していると思います。後半のゼクエンツも美しく、心に染みる楽章です。なお、この1・2楽章を一体の音楽と考えて、全体を4楽章ととらえる考え方も有力です。

 第3楽章は再びアレグロで、2分の2拍子のフーガふうの楽章です。力強くリズミカルでたいへんイキのいいテーマを扱い、途中に挟まれるエピソードは対照的にやわらかな表情を持っています。終結部は、たたみかけるようなスピード感を持っていますが、「終わりかな?」と思うと何度も念押しがあるのはマンチーニらしいところ。

 第4楽章は再びラルゴ、4分の4拍子。こんどは第2楽章と違ってニ長調の平行調・ロ短調で始まります。晴朗だった音楽から一転して、全体に沈痛なおもむき。しかし最後は少し明るんで、ニ長調の属和音(イ長調の主和音ともみることができますが)で半終止となり、すぐに第5楽章に続きます。

 第5楽章は、第1楽章と同じくアレグロの8分の3拍子ですが、ノリはまるで違い、これはシンプルなリズム感の、踊るような終曲になっています。しかし、型通りの舞曲にありがちな4小節・8小節単位の楽節を積み重ねる音楽ではなく、随所に工夫の凝らされた内容のある楽曲になっています。


※ 演奏例がお聴きいただけます
第1楽章(C−2)
第2楽章(B−2)
第3楽章(C−2)
第4楽章(B−2)
第5楽章(C−2)

※カッコ内は指回り難度です。
※通奏低音実施: 高橋たかね  リコーダー演奏: 石田誠司 電子チェンバロ演奏: 石田誠司


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