ソナタ 第9番 ヘ短調
全曲(ノーカット)が試聴できます
(YoutubeのRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)
★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
リコーダー用: 2242 1800円+税
リコーダー用: SR-118 3800円税
ダウンロード製品 1860円(税込)
★解題★
マンチーニの「リコーダー(またはヴァイオリン)と通奏低音のための12のソナタ」は1724年にロンドンで出版されました。スカルラッティの下で働きながらも作曲家としてもっとも充実した時期に書かれた作品とあって、まんまんたる意欲がみなぎり、内容的に充実した、すばらしい作品集となっています。
リコーダーのための多数のバロックソナタの中にあっても、激しい転調を駆使して濃厚な情緒をかもし変幻自在の表情を見せるマンチーニのソナタは、欠かすことのできない大切なものだといえるでしょう。
★解説★
がっしりとした4楽章形式で書かれた名品です。
第1楽章は発想記号がなく、4分の3拍子。中庸以下の遅めのテンポの曲だと思います。ずっと付点のリズムを基調としてリズム感にあまり変化はないものの、ドラマチックな構成、終わり近くで行なわれる驚くほど大胆な転調など、マンチーニらしい力のこもった音楽です。
第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子のフーガです。テーマは同音連打で始まり、途中に7度の下降跳躍を含む長めの旋律です。最初の1小節ぐらいではちょっと和風テイストを感じてしまうかも知れませんが、全体(3小節)としてはそんなことはありません。キビキビしていて高揚感もすばらしい、圧巻の出来栄えです。ただ、運指のたいへん難しい箇所があります。
第3楽章はラルゴ(広びろと)、4分の4拍子で、これも付点リズムを基調としていることは第1楽章と共通しています。と言っても今度は変イ長調のおだやかな明るさを持つ音楽ですが、最後はヘ短調に戻って、半終止で第4楽章を呼びます。
第4楽章は再びアレグロで、8分の12拍子の速い楽曲です。ただ、ジークなのかどうかについては見方が分かれるかも知れません(著者にはジークではないように思うのです)。ヘ短調というやや演奏しにくい調の曲であるわりには、指回りの厳しい箇所はそれほどありませんが、シンコペーションが多用されているので、速いテンポで演奏する場合は、遅れないようについて行くのにいくらか苦労があるかも知れません。しかし、独創的なすばらしい終曲です
※ 演奏例がお聴きいただけます
第1楽章(B2)
第2楽章(C3)
第3楽章(B3)
第4楽章(C2)
※カッコ内は指回り難度です。
※通奏低音実施: 高橋たかね リコーダー演奏: 石田誠司 電子チェンバロ演奏:
石田誠司
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