リコーダーJP マンチーニ作品


ソナタ 10番 ロ短調 


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★解題★

 マンチーニの「リコーダー(またはヴァイオリン)と通奏低音のための12のソナタ」は1724年にロンドンで出版されました。スカルラッティの下で働きながらも作曲家としてもっとも充実した時期に書かれた作品とあって、まんまんたる意欲がみなぎり、内容的に充実した、すばらしい作品集となっています。

 リコーダーのための多数のバロックソナタの中にあっても、激しい転調を駆使して濃厚な情緒をかもし変幻自在の表情を見せるマンチーニのソナタは、欠かすことのできない大切なものだといえるでしょう。

★解説★

 ロ短調という調性はリコーダーにとってはあまり嬉しいものではありませんが、逆にいえばとてもよい練習になります。マンチーニらしい劇的な表現に満ちていて、規模も大きな格調高い傑作です。

 4楽章から成り、緩・急・緩・急の構成です。

 第1楽章はラルゴ(ひろびろと)、4分の3拍子。訴えかけの強い叙情的な音楽です。スラーやアクセント(タテ長の棒)が細かく書き込まれていますから、それを生かして表情豊かに演奏できるとよいでしょう。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の2拍子。フーガふうに音楽が進みながら、後半はテーマを低音とリコーダーが歌いつぐような手法もあって、たいへん独創的な音楽です。本ソナタの白眉でしょう。

 第3楽章は再びラルゴで、4分の4拍子。ト長調に明るみ、よくある付点音符を基調とした音楽ですが、リズムにもメロディーラインにも独特な「アクの強さ」があって、マンチーニの個性が存分に発揮されています。

 第4楽章は再びアレグロで8分の3拍子。シンコペーションを駆使した独特なリズム感で、おどるように音楽が進みます。スラーのかけかたにも細かく注意がはらわれていて、彫りの深い音楽になっています。


※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章 (B2)
第2楽章 (C1)
第3楽章 (B1)
第4楽章 (C1)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:
石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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