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J. J. クヴァンツ

〜〜フリードリヒ大王の寵臣〜〜


★大王のフルート教師★

 ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(Johann Joachim Quantz)は、1697年に生まれ、1773年まで長生きしたフルート奏者・作曲家です。

 プロシアのフリードリヒ大王は幼少のころから音楽好きで、フルートを演奏し作曲作品も残しました。クヴァンツはフリードリヒ大王がまだ少年のころからフルート教師を務めていた縁で、即位後も宮廷音楽家として王に仕え続けました。破格の待遇だったと言われます。

 当時、同僚として、大バッハの次男、カール・フィリップ・エマニュエル・バッハがいました。そのためエマニュエルもフルート作品をよく書いていましたが、王は演奏が難しいエマニュエルの作品よりも、やさしくてわかりやすいクヴァンツの作品を好んだようです。それもあってか、エマニュエルはのちに王の慰留を振り切ってハンブルグに行ってしまいますが、クヴァンツは生涯、大王の宮廷にとどまりました。よほど居心地がよかったとみえますね。

 クヴァンツはフルートの演奏家・理論家として重要で、1750年代に書かれたフルート教則本は名著の誉れが高く、今でも用いられています。当時の演奏様式を知るための文献資料としても、古楽の世界では重視されています。作曲作品はほぼフルート絡みの曲ばかり(フルートの曲を書くたびに王からボーナスがあったそうな)で、おびただしい数の協奏曲・ソナタ類を残しましたが、その全貌がよく知られているとは、まだまだ言えません。


リコーダーJPから出版のあるクヴァンツ作品

トリオソナタ ハ長調 QV2: Anh. 3


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