リコーダーJP ペジブル作品
    


ソナタ 第4番 ニ短調


Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
アルトリコーダー用: 2244 1800円+税
ダウンロード製品  620円(税込)



★解題★

 フランス国立図書館(BnF)に、「ペジブル氏のソロ」と題された写本があり、そこにJ.ペジブルの通奏低音つきソナタ16曲(ほかに無伴奏二重奏曲など)が収められています。他にもペジブルのソナタの手書き譜はいくつかみつかっていますが、今のところBnFの写本の所収曲と重複する曲ばかりのようです。そこで、BnF写本で付されている通し番号を「ペジブルのソナタの番号」として用いることにしました。

 本作の場合、私どもが制作までに入手できた3つの写本のうち、「Babel写本」のみが6楽章から成っており、フランス国立図書館(BnF)の写本と「デトロイト写本」は5楽章から成っています(第5楽章のアルマンドが欠落)。また、この2写本は、Babel写本とは楽章の順序も一部異なっています(第3楽章と第4楽章が逆)。

 必ずしもBabel写本の信頼度が最も高いと考えるわけではありませんが、せっかく出版するのに楽章1つを捨てるのは残念ですので、Babel写本からアルマンドを採用し、それにともなって、全体の楽章順と発想記号はBabel写本にならいました。
※ したがって、弊社版の楽譜を用いて、しかし5楽章の曲として演奏したい場合は、(1)第5楽章アルマンドを省き、(2)第3楽章と第4楽章を入れ替えて、「1・2・4・3・5」の順に演奏したらよいということになります。
 なお原典がどうなっているかをメモした校訂用のメモがありますので、ご覧になりたいかたはどうぞ。(ただ、書き誤り等はあるかも知れません m(__)m)


★解説★

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、2分の2拍子です。よく歌う美しい旋律で、気持ちの高まりもあり、そのあとみせる打ち沈んだ表情も魅力的で、すばらしい楽章になっています。最後の全音符「レ」の音が、デトロイト写本以外では第2楽章の最初の音にタイで結ばれており、そのように、止まることなく続けて演奏する方が本来なのでしょう。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の3拍子の、かろやかに踊るような音楽です。前半と後半のそれぞれを繰り返す指定で、前半はニ短調からイ短調に転じてしめくくっています。後半はまたニ短調から始まりますが、たった20小節ほどの間に、ト短調・ハ長調・ヘ長調を経てニ短調に戻るあたり、強引な感じはないものの、ペジブルらしいと言えるでしょう。

 第3楽章は再びアダージョで、4分の4拍子です。これまたペジブルらしい、歌いながら次々とすべるようにいろいろな調を渡り歩く音楽で、ニ短調からヘ長調、イ短調、ニ短調、ハ長調、ヘ長調、ハ短調、そしておそらく変ロ長調を一瞬通ってからニ短調に戻って半終止しているとみてよいのでしょう。

 第4楽章は再びアレグロで、2分の2拍子です。音階的な動を中心とするニ短調のテーマを示し、これを素材として軽妙に音楽を進めます。

 第5楽章はアルマンドと題され、4分の4拍子です。前半・後半とも繰り返される2分形式で、比較的シンプルな内容ですが、魅惑的な小品です。

 第6楽章は、3たびアレグロで、8分の12拍子です(ただしBabel写本では音価を倍にし、小節数も倍にした4分の6拍子で記譜されています)。ジークのような感じもしますが、どうなのでしょう。音楽が進むにつれてしだいに細かな音符の動きが増え、最後ははやかな(おそらく、ある程度自由に奏される)カデンツァのようなパッセージを披露して終わります。


★試聴ファイル★

リコーダー: 石田誠司 (全音G-1A使用)
通奏低音(電子楽器): 石田誠司  

※カッコ内の表示は「指回り難度」です。

第1楽章(B−2)
第2楽章(C−1)
第3楽章(B−2)
第4楽章(C−1)
第5楽章(B−3)
第6楽章(C−3)


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