ソナタ ニ長調 作品30-5
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★この曲を収録したCDつき楽譜★
2041 アルトリコーダー用 1800円+税
SR-026 アルトリコーダー用 3800円+税
ダウンロード製品 620円(税込)
RG-041 アルトリコーダー用 900円+税 絶版
★解題★
J.C.シックハルトの「24のソナタ 作品30」は、原題は「音楽のアルファベット 24のソナタ」で始まる長いもので、1735年ごろの出版だそうです。1722年に発表された大バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と同様に、「すべての調によるソナタ」であることが狙いの一つだったようで、フルート、ヴァイオリン、リコーダーのどれで演奏してもよいことになっていました。(音域が違いますから、その場合は音符記号の読み替えにより、移調して演奏するようになっていました。)
すべての調、というからには、シャープやフラットの記号が5つも6つもついたような調号になる曲も出てくるわけですが、難しい場合は、やさしい調で演奏することもできるようになっていました。たとえば、「嬰ハ長調」(シャープ7つの調)の曲の楽譜を、「ハ長調」の楽譜として読んでしまえば格段にやさしくなります。そういうことをしてもよいということになっていたのです。
RJP版では、フランス・ブリュッヘンらが提案している調の選定(全音楽譜出版社刊「24のソナタ」による)と曲配列にもとづいて出版していきます。(ブリュッヘン版では原典と異なる曲配列になっていますが、RJP版でもブリュッヘン版が付した曲番号を踏襲するということです。)
(一部改稿 2011.08.24.)
★解説★
バロック組曲ふうの構成で、6楽章から成ります。古典的な晴朗さを基調に、対位法的な味つけの利いた、しかもリズム感のいい、実に楽しい曲です。「シャープ二つ」の調ですから、見た目よりやや演奏し辛いのですが、逆に言えば、とてもいい練習になります。
第1楽章はアレグロ(快活に)と指定された4分の4拍子のプレリュード(前奏曲)です。対位法的な味わいが濃厚ですが、それでいて歌謡性がゆたかで親しみやすく、リズムの扱いも気が利いている、極上の音楽です。
第2楽章はアレグロ、4分の4拍子のアルマンドで、リズミカルに進むたいへん楽しい曲です。ところどころかなり失敗しやすい運指が出てきますので、練習しがいがあるでしょう。ニ長調で始まりますが、一度もきちんと終止しないまま3小節目の途中で転調し、それ以後、テーマの再現まで一度もニ長調に戻りません。そのせいか、再現のとき少し不思議な感じがするように思います。
第3楽章は4分の3拍子、ヴィヴァーチェ(生き生きと)で、シックハルトが大好きだった付点の跳ねるリズムを基調とするコレンテ(クーラント)です。弾むように元気に演奏したい。
第4楽章は2分の3拍子のサラバンド。一転してゆったりした音楽ですが、それほど重くならずあっさりと演奏するのがよさそうです。音楽の起伏がとても自然でわかりやすく、気持ちよく演奏できます。
第5楽章は8分の6拍子で、快活なジークです。手馴れた腕前ですっきりとまとめられている感じですが、はつらつとした佳品です。
第6楽章はプレスト(速く)と指定されたガボットで、たぶん通常のガボットよりもかなり速く演奏される、疾走する音楽です。
(一部改稿 2022.10.27.)
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章 C−2
第2楽章 C−2
第3楽章 C−1
第4楽章 B−3
第5楽章 C−2
第6楽章 C−2
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:ヘンリーさん チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司 (2006年4月11日録音)
第1楽章 C−2
第2楽章 C−2
第3楽章 C−1
第4楽章 B−3
第5楽章 C−2
第6楽章 C−2
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:石田誠司 チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司 (2022年10月18日録音)