リコーダーJP シックハルト作品


ソナタ ホ短調 作品30-10


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RG-121 アルトリコーダー用 900円+税 絶版




★解題★

 J.C.シックハルトの「24のソナタ 作品30」は、原題は「音楽のアルファベット 24のソナタ」で始まる長いもので、1735年ごろの出版だそうです。1722年に発表された大バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と同様に、「すべての調によるソナタ」であることが狙いの一つだったようで、フルート、ヴァイオリン、リコーダーのどれで演奏してもよいことになっていました。(音域が違いますから、その場合は音符記号の読み替えにより、移調して演奏するようになっていました。)

  すべての調、というからには、シャープやフラットの記号が5つも6つもついたような調号になる曲も出てくるわけですが、難しい場合は、やさしい調で演奏することもできるようになっていました。たとえば、「嬰ハ長調」(シャープ7つの調)の曲の楽譜を、「ハ長調」の楽譜として読んでしまえば格段にやさしくなります。そういうことをしてもよいということになっていたのです。

 RJP版では、フランス・ブリュッヘンらが提案している調の選定(全音楽譜出版社刊「24のソナタ」による)と曲配列にもとづいて出版していきます。(ブリュッヘン版では原典と異なる曲配列になっていますが、RJP版でもブリュッヘン版が付した曲番号を踏襲するということです。)

(一部改稿 2011.08.24.)



★解説★

 7つの楽章から成る大規模なソナタで、爽快な魅力のある佳品です。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。低音と対話しながらキメ細かく歌っていき、最後にグラーヴェ・エ・ピアノ(荘重に、弱い音で)の部分で半終止し、すぐに第2楽章に続きます。

 第2楽章はアレグロ(快活に)と指定されたアルマンドで、ヒタヒタと進むシックハルトらしいすぐれた快速楽章です。「レ#」が絡む部分で指遣いが難しい箇所がいくつかあり、技術的には全楽章のうちもっとも難しいでしょう。

 第3楽章はヴィヴァーチェ(生きいきと)、4分の3拍子です。前半と後半それぞれを繰り返す形で書かれ、終わり近く(37〜43小節)に出てくる「反復進行」では濁る和音の連用がすばらしい効果を上げています。

 第4楽章はラルゴ(広びろと)と指定された2分の3拍子のサラバンドです。親しみやすい心に染みる旋律を奏でます。

 第5楽章はヴィヴァーチェと指定されたコレンテ(クーラント)で、4分の3拍子です。コレンテはシックハルトが得意とした舞曲で、この曲も、付点のリズムを基調としながらもときおり違うリズムの句を挟んだり和声や転調に工夫を凝らしたりして、内容の濃いすぐれた出来映えです。

 第6楽章は8分の6拍子のジークです。付点のリズムを用いた特徴ある音型をかなり執拗にこだわって扱う個性的な1品になりました。

 第7楽章はアレグロ、4分の3拍子です。堂々とした主題で始まり、途中は少し可憐な表情を見せ、最後はヘミオラも決まって、きりりと引き締まった洒落た終曲になっています。


※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−2)
第2楽章(C−2)
第3楽章(C−1)
第4楽章(B−2)
第5楽章(B−3)
第6楽章(B−3)
第7楽章(B−2)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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