リコーダーJP シックハルト作品
    


ソナタ ロ長調 作品30-23


Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
2199 アルトリコーダー用 1500円+税
SR-104 アルトリコーダー用 3800円+税
ダウンロード製品  1860円(税込)

アルトリコーダー用: RG-199 900円+税 絶版



★解題★

 J.C.シックハルトの「24のソナタ 作品30」は、原題は「音楽のアルファベット 24のソナタ」で始まる長いもので、1735年ごろの出版だそうです。1722年に発表された大バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と同様に、「すべての調によるソナタ」であることが狙いの一つだったようで、フルート、ヴァイオリン、リコーダーのどれで演奏してもよいことになっていました。(音域が違いますから、その場合は音符記号の読み替えにより、移調して演奏するようになっていました。)

 すべての調、というからには、シャープやフラットの記号が5つも6つもついたような調号になる曲も出てくるわけですが、難しい場合は、やさしい調で演奏することもできるようになっていました。たとえば、「嬰ハ長調」(シャープ7つの調)の曲の楽譜を、「ハ長調」の楽譜として読んでしまえば格段にやさしくなります。そういうことをしてもよいということになっていたのです。

 RJP版では、フランス・ブリュッヘンらが提案している調の選定(全音楽譜出版社刊「24のソナタ」による)と曲配列にもとづいて出版していきます。(ブリュッヘン版では原典と異なる曲配列になっていますが、RJP版でもブリュッヘン版が付した曲番号を踏襲するということです。)

(一部改稿 2011.08.24.)


★解説★

 7つの比較的小粒な楽章から成る楽しいソナタですが、ふつうはまずリコーダーに用いられることのないロ長調という調性で、アマチュア愛好家にとっては超・難物と言っていいでしょう。

 第1楽章はプレリュード(前奏曲)と題され、アレグロ(快活に)、4分の4拍子。明るく元気よく曲を始めます。最後にグラーヴェ・ピアニッシモ(重々しく、きわめて静かに)と指定された2小節のエピローグがあって、第2楽章に切れ目なく続く感じになります。

 第2楽章はアダージョ(ゆっくりと)、2分の3拍子。なつかしい感じのテーマを歌い上げていきます。前半・後半を繰り返したあと、もう1度しめくくりのフレーズを奏するのが、なんだか、とてもいい感じ。

 第3楽章はアルマンドで、アレグロ、4分の4拍子です。シックハルトが大好きだった速めのアルマンドですが、意表をつくような転調を織り込んで、たいへん気の利いた小品になっています。

 第4楽章は4分の3拍子で、これまたシックハルトが大好きだった、付点リズムを基調とするコレンテです。前半・後半ともに、終わったのかと思うと2小節おまけのような句があります。

 第5楽章はアレグロ、4分の4拍子の短い間奏曲です。これも晴朗にしてなつかしい風情のある佳品ですが、途中、大きな跳躍を含む音型があって、鮮やかに演奏するのはかなり難しいと思います。

 第6楽章は8分の6拍子のジーグ。ドミナントから始まる、ちょっと新鮮な開始から、16分音符を含む華やかなパッセージも織り込みながら、よく歌う音楽になっています。秀逸。

 第7楽章は4分の3拍子のメヌエットです。何でもないようですが、堂々とした風格をただよわせる楽曲で、万華鏡のような楽しさで進んできた全曲をしっかりしめくくっています。


★試聴ファイル★

通奏低音(電子楽器): 石田誠司  リコーダー: 長谷川圭子

※カッコ内の表示は「指回り難度」です。

第1楽章(C−3)
第2楽章(C−1)
第3楽章(C−3)
第4楽章(C−3)
第5楽章(C−3)
第6楽章(C−3)
第7楽章(C−2)


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