ソナタ イ短調 作品17-3
Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。
★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
アルトリコーダー用: 2230 1800円+税
アルトリコーダー用: SR-138 3800円+税
ダウンロード製品 1860円(税込)
★解題★
J.C.シックハルトの「12のソナタ 作品17」は、1712年から15年までの間に、アムステルダムのRogerから出版され、のちにロンドンのWalshから少なくとも2版にわたって再刊されました。若々しいエネルギーと大家の風格とを兼ね備えた、充実した力作ぞろいの作品集です。
★解説★
4つの楽章から成り、第1楽章の「グラウンド」ふうの趣向、第3・第4楽章での、1オクターブ跳躍をまじえながら主音(ラの音)を連打するモチーフの共通使用など工夫があり、傑作のひとつだと言えるでしょう。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。「グラウンド」のような音楽のつくりを取り入れて作られています。まず、通奏低音が半音階的下降を中心とする2小節の低音主題を奏すると、その低音に乗せてリコーダーが旋律主題を変奏しながら3度ほど演奏します。続いて推移部分でホ短調を経てニ短調に入り、ニ短調「グラウンド」の音楽をしばらく演奏。途中、リコーダーが「低音主題」を担当する場面もあります。やがてまた短い推移を挟んで元のイ短調でのグラウンドふう音楽になり、そのまま終結に向かいます。たった2小節のテーマをかなりの回数繰り返す音楽でありながら、ドラマ性の豊かな、みごとな音楽になっています。
第2楽章は4分の4拍子のアルマンドで、アレグロ(快活に)と指定されています。シックハルトが得意とした、16分音符の常動的な動きで織り成す快速なアルマンドですが、途中、付点16分音符で跳ねるリズムや32分音符を含む動きも出てきて、音楽にいっそうの生気を与えています。なお、後半部の開始小節となる不完全小節の拍数が合っていないのですが、たぶん作曲者も版元も「わかっていて」このように記譜したものと思われますので、弊社版でもそのまま踏襲しています。
第3楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の3拍子です。ふつうなら少し遅いテンポの曲が来てもいいところなのですが、このソナタでは快速楽章を持ってきました。まさに生き生きとした爽快な音楽で、とくに演奏しにくい箇所もなく、とても気持ちよく演奏できます。
第4楽章は8分の6拍子のジーグです。最初の不完全小節が、8分音符2つ分なのはかなり珍しい例でしょう。冒頭だけでなく、後半の開始も同じように「八分音符2つ」のアウフタクトを持っており、変則的な面白さがあります。32分音符の動きや「付点八分」の動きも含む音楽で、速さは「そこそこ」で生き生きした音楽になると思います。
★試聴ファイル★
リコーダー: 石田誠司
通奏低音(電子楽器): 石田誠司
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(C−1)
第2楽章(C−1)
第3楽章(C−1)
第4楽章(C−1)
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