ソナタ ロ短調 作品1-4
Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。
★この曲を収録したCDつき楽譜★
アルトリコーダー用: 2241 1800円+税
アルトリコーダー用: SR-122 2800円+税
ダウンロード製品 620円(税込)
★解題★
J.C.シックハルトの「アルトリコーダーと通奏低音のためのソナタ 作品1」(全7曲)は、1710年ごろまたはそれより早くに、アムステルダムのRogerから出版されました。デビュー作にふさわしい力のこもった作品集です。
★解説★
6つの楽章から成り、前奏曲に続いて、3つの舞曲、そしてひとつ間奏曲を挟んでから終曲のガボット。シックハルトが好んだ組曲ふうの構成です。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。よく動くタイプの主題を扱い、途中、長い吹き伸ばし音が3度も出てくるのが印象に残ります。最後はアダージョ・エ・ピアニシモ(ゆっくりと、極めて弱い音で)と指示があります。
第2楽章はアレグロ(快活に)と指定されたアルマンドで、4分の4拍子です。シックハルトが好んだ16分音符のビートが底流する、かなり快速感のあるアルマンドです。後半には2度の転調(ニ長調→ホ短調、ホ短調→嬰ヘ長調)をみせるなど、舞曲にしては意欲的な展開をみせます。
第3楽章は4分の3拍子のコレンテです。シックハルトのコレンテは、ほぼ必ず付点リズムが基調になるのですが、この曲では途中三連リズムもまじえ、さらに、収束に向かうあたりでは、通奏低音に均分リズムでの動きをさせるなど、リズムに変化を求めました。まるで「付点リズム一辺倒では単調かも知れない」と心配したかのようですが、この後、百曲をゆうに超える「付点リズムばかりのコレンテ」を書いたのにと思うと、何だか可笑しいようです。
第4楽章はジークで、8分の6拍子。16分音符の動きを含みますから、いくぶん余裕のあるテンポで演奏しても良いでしょう。無駄口をきかないように引き締めた結果、フレーズの長さが不規則になったような感じです。
第5楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)と指定された4分の3拍子の楽曲です。繰り返しの指定がないことからも、また最後にフリギア終止で終曲を呼ぶようになっていることからも、間奏曲のようなものを意図したものとみるべきでしょう。短いモチーフを断続的に奏する語り口はちょっと独特です。
第6楽章はプレスト(速く)と指定されたガボットで、4分の4拍子です。後半の最初(ヘンデルのト短調のソナタの終曲を誰でも思い出すでしょう)で、少しせかせかした感じになりますが、それ以外の箇所は音符が大きいのでそんなに忙しい感じはありません。通奏低音にはテンションノートをたくさん指定していて、なかなかイカス曲です。
★試聴ファイル★
リコーダー: 長谷川圭子さん
通奏低音(電子楽器): 石田誠司
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(B−3)
第2楽章(C−2)
第3楽章(C−1)
第4楽章(C−1)
第5楽章(B−3)
第6楽章(C−1)
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