コレルリの合奏協奏曲による
トリオソナタ 第1番 ヘ長調
Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。
★この曲を収録したCDつき楽譜★
アルトリコーダー用: 2236 2400円+税
ダウンロード製品 620円(税込)
★解題★
「12の合奏協奏曲集 作品6」は、大作曲家コレルリ晩年の最高傑作です。これを、バロック時代のリコーダー音楽の大作曲家・シックハルトが、アルトリコーダー2本と通奏低音のためのトリオソナタに編曲したのが、「コレルリの合奏協奏曲による12のトリオソナタ」です。まさに、作曲者・編曲者ともに最高の人を得た、名品と言えるでしょう。
★解説★
5つの楽章から成り、協奏曲第6番、第9番、第10番の3曲から楽章が集められているのですが、最後の第5楽章・ジークだけは、どうやらコレルリに由来するものではなさそうです。少なくとも、合奏協奏曲集・作品6のなかには、この曲の原曲らしきものは見当たりません。
第1楽章は、ラルゴ(ひろびろと)、4分の4拍子で、合奏協奏曲第9番の第1楽章・プレリュードが原曲です。原曲は、いかにもバロックの前奏曲らしい、重い付点リズムの、ややゴツゴツした曲ですが、シックハルトはそれを、リコーダーのトリオソナタらしく少し歌謡的にやわらげています。
第2楽章はアルマンドで、アレグロ(快活に)と指定されています。合奏協奏曲第10番のアルマンドが原曲で、ハ長調だったのをヘ長調に移調編曲しています。「高いところから下っていく快適さ」というのがコレルリの音楽の魅力的な部分になっていることは多いのですが、ここでも典型的にそれが味わえます。
第3楽章は8分の3拍子で、アレグロと指定されていますが、原曲は合奏協奏曲第9番のなかの、「ヴィヴァーチェ(生き生きと)」と指定のあるメヌエットです。原曲の味わいもよく生きた、かろやかな楽章になっています。
第4楽章はアレグロ、4分の2拍子で、颯爽とした快速楽章です。原曲は、合奏協奏曲第6番の終曲ですから、この意味でも、全曲をしめくくるのにふさわしい音楽なのです。そこへ、さらに短い第5楽章をつけ加えたシックハルトの処理は、なにかいわくがあるのかも知れません。
第5楽章が、問題のジークです。いかにも小粒ではありますし、どちらかといえば平凡な感じのテーマを扱う曲ではありますが、しかし、実に流麗で、なつかしいような風情を持っており、それなりに佳品であるのは確かです。
★試聴ファイル★
リコーダー: Duo Affettuoso (長谷川圭子・長谷川智彦)
通奏低音(電子楽器): 石田誠司
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(B−2)
第2楽章(C−1)
第3楽章(C−1)
第4楽章(B−3)
第5楽章(C−1)
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