コレルリの合奏協奏曲による
トリオソナタ 第6番 ヘ長調
Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。
★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1860円(税込)
2319 リコーダー用 2400円+税
SR-162 リコーダー用 3800円+税
★解題★
「12の合奏協奏曲集 作品6」は、大作曲家コレルリ晩年の最高傑作です。これを、バロック時代のリコーダー音楽の大作曲家・シックハルトが、アルトリコーダー2本と通奏低音のためのトリオソナタに編曲したのが、「コレルリの合奏協奏曲による12のトリオソナタ」です。まさに、作曲者・編曲者ともに最高の人を得た、名品と言えるでしょう。
★解説★
全4楽章とも合奏協奏曲第12番・ヘ長調の楽章から採用されており、原調による編曲です。ただし原曲の第3楽章アダージョは採用されずに置かれました。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。第1リコーダーと第2リコーダーが寄り添い合い、また互いに応答し合って美しいハーモニーをかもし出しながら進みます。
第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子です。第1リコーダーが華やかに技巧的なソロを繰り広げる下で、第2リコーダーは脇役に徹します。最初からトリオソナタとして構想された曲ならこうは書かないと思いますが、この場合は原曲が独奏ヴァイオリンを中心とする協奏曲なので、その構造に縛られてこうなってしまったという形です。リコーダーのトリオソナタとしては役割が偏りすぎていますので、遊ぶときは、ところどころで役割(パート)を入れ替えながら演奏するようなこともあっていいかも知れません。
第3楽章は4分の3拍子のサラバンドで、シックハルトはアダージョと指定しましたが、原曲ではヴィヴァーチェ(生き生きと)となっています。「ヴィヴァーチェ」にせよ、また「ラルゴ」にせよ、元来はテンポに無関係の「感じ」だけを表す指定だったと言われており、コレルリはそのつもりで指定したのでしょう。ところが、シックハルトの時代(あるいはシックハルト個人)にとっては、すでに「ヴィヴァーチェ」の指定ではかなり速いテンポを示す感じを伴いつつあったので、あえて発想指示を「遅いテンポ」を示すものに変更したのでしょう。わずか十年ほどのあいだに、発想表示の意味が変わってきたのですね。(さらに時代が数十年下ると、これらの発送記号はすべてテンポと密接な関係を持つようになります。)
第4楽章は8分の6拍子のジーグで、アレグロと指定されています。原曲では主題に付点による跳ねるリズム(付点八分音符+十六分音符)を含んでいて、やや緩めのテンポがふさわしいように思いますが、シックハルトは跳ねるリズムを均分に変更しました。このため、かなり軽やかな快速さを味わう曲として演奏するのがふさわしい感じの曲になっています。絶品の爽快さ、そしてたっぷりしたボリュームのある、すばらしい終曲です。
★試聴ファイル★
リコーダー: Duo Affettuoso (長谷川圭子・長谷川智彦)
通奏低音(電子楽器): 石田誠司
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(B2)
第2楽章(C2/B2)
第3楽章 (B2/B1)
第4楽章(C1)
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