コレルリの合奏協奏曲による
トリオソナタ 第10番 変ホ長調
Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。
★この曲を収録したCDつき楽譜★
ダウンロード製品 620円(税込)
2366 リコーダー用 2400円+税
★解題★
「12の合奏協奏曲集 作品6」は、大作曲家コレルリ晩年の最高傑作です。これを、バロック時代のリコーダー音楽の大作曲家・シックハルトが、アルトリコーダー2本と通奏低音のためのトリオソナタに編曲したのが、「コレルリの合奏協奏曲による12のトリオソナタ」です。まさに、作曲者・編曲者ともに最高の人を得た、名品と言えるでしょう。
★解説★
4つの楽章から成り、どの楽章も、原曲の中でも屈指の傑作・第10番・ハ長調の合奏協奏曲からとられています。すばらしい第1楽章「アンダンテ・ラルゴ」を「ソナタ 第2番」に譲りましたので、ここでは原曲の第3楽章「アダージョ」を冒頭楽章として、あとは順に楽章を採用しています。つまり、原曲の第2楽章「アルマンド アレグロ」が、このソナタ集には不採用という結果になりました。あれも、さっそうとした、実にいい曲だと思いますが……。また、原曲のなかの短い間奏曲的な楽章を冒頭楽章に持ってきたため、楽曲全体が変ホ長調を基調としているにもかかわらず、ハ短調の楽章で始まるという、変則的な構成になっています。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の3拍子です。何歩か歩いてはすぐに長いため息とともに立ち止まる、といった風情の動機で音楽がつくられていきます。立ち止まりの間には、誰かが即興的なひとくさりを演奏することがよく行われます。楽譜通りに演奏する場合は、この「ため息」の部分では得も言われぬ「間合い」をとりたくなりますが、それでは次の「出」が合わせにくくなりますので、ここではチェンバロで軽い埋め草を弾いてみています。
第2楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)と指定されたコレンテで、4分の3拍子です。通奏低音が八分音符の動きで音楽を前に進める役割をしている上で、2本のリコーダーが美しくからみあい語り交わす二重奏を繰り広げます。コレルリの独壇場のような名品を心ゆくまで味わえるでしょう。
第3楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子です。第1リコーダーが16分音符のジグザグ音型(ひとり2声部)を忙しく奏でる下で、第2リコーダーは主として通奏低音と呼び交わしながらリズム担当のような役割をしています。調子がよく、爽快な快速楽章です。
第4楽章は再びヴィヴァーチェと指定されており、8分の3拍子のかろやかな舞曲ふうの終曲です。何とも晴れやかで平明なテーマで始まりますが、中間部に入ると第1リコーダーが分散和音音型で短調の調べを奏します。何度か転調がありますが、ハ短調・ヘ短調・ト短調を経巡るあいだ、一瞬も長調に明るむことはありません。それだけに、また明るい主要部に戻ったときの印象が鮮烈になります。
★試聴ファイル★
リコーダー: Duo Affettuoso (長谷川圭子・長谷川智彦)
通奏低音(電子楽器): 石田誠司
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(A1))
第2楽章(B1)
第3楽章 (C1)
第3楽章 (C1)
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