リコーダーJP シックハルト作品
    


トリオソナタ イ短調 作品16-8


Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品  1860円(税込)
2363 リコーダー用 2400円+税



★解題★

 J.C.シックハルトの「作品16」は、2本のアルトリコーダーと通奏低音のために書かれた12曲から成るトリオソナタ集で、1710年から1712年ごろ、アムステルダムのRogerから出版されました。

 トリオソナタはバロック室内楽の代表的編成だと言われますが、リコーダー2本と通奏低音のための曲となると、それほど多くは残っておらず、シックハルトの諸作品は貴重です。

 このソナタ集に、とくに教則的な意図は謳われてはいませんが、比較的やさしい曲からしだいに技術を要する曲へと進むようにと配慮した様子がみられ、アマチュアのための出版作品に力を入れていたシックハルトならではの作品集となっています。


★解説★

 4楽章から成っています。プレリュードを置くことなく、いきなり舞曲を4つ並べたという体裁で、ソナタ作品の構成としては、いくらか珍しい部類だと言えるでしょう。どの楽章も手堅くまとめられた佳品ですが、とくに第4楽章ジーグには光るものがあります。

 第1楽章はアルマンドと題され、4分4の拍子です。シックハルトのアルマンドは「アレグロ」(快活に)と指定されていることが多く、快速感をやや重視したような曲が多いのですが、この楽章はかなり落ち着いたテンポが合うのではないかと思います。

 第2楽章はガボット、4分の4拍子です。歯切れ良く提示されるテーマから始まってキビキビと音楽が進みますが、短い舞曲にしてはなかなか劇的に構成された筋書きを持っていて、演奏しがいのある曲になっています。

 第3楽章はメヌエットで、4分の3拍子です。4つの楽章のなかで、この楽章が最も「型どおり」のつくりになっていると言えるかも知れませんが、それだけに、典型的なメヌエットの演奏を安心して楽しめるでしょう。

 第4楽章はジーグで、8分の6拍子です。付点の跳ねるリズムを含んでいることもあり、あまりとんでもなく速く演奏する曲ではないように思われます。シックハルトらしい生き生きとした音楽で、とくに、後半に入ってハ長調に転じると間もなくの、いわゆる「アーメン終止」の進行を用いたエピソードでは、何とも気持ちの良い新鮮な楽しさが味わえます。

★試聴ファイル★

リコーダー&MIDIチェンバロ: 石田誠司
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。

第1楽章(C−1)
第2楽章(B−3)
第3楽章(B−2)
第4楽章(C−1)


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