リコーダーJP シックハルト作品
    


トリオソナタ ト長調 作品16-9


Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品  1860円(税込)



★解題★

 J.C.シックハルトの「作品16」は、2本のアルトリコーダーと通奏低音のために書かれた12曲から成るトリオソナタ集で、1710年から1712年ごろ、アムステルダムのRogerから出版されました。

 トリオソナタはバロック室内楽の代表的編成だと言われますが、リコーダー2本と通奏低音のための曲となると、それほど多くは残っておらず、シックハルトの諸作品は貴重です。

 このソナタ集に、とくに教則的な意図は謳われてはいませんが、比較的やさしい曲からしだいに技術を要する曲へと進むようにと配慮した様子がみられ、アマチュアのための出版作品に力を入れていたシックハルトならではの作品集となっています。


★解説★

 5つの楽章から成っています。作品16のトリオソナタ集では、多くの曲で第1楽章に「アリア」や「ファンタジア」と題する楽曲をプレリュードがわりに置いて、あとは舞曲を並べるという構成をとっているのですが、8曲目から10曲目までの3曲だけは、プレリュードを置かずにいきなり舞曲を並べました。本作は、聴かれるための音楽としては必ずしも一級の出来と言えないかも知れませんが、演奏者自身が楽しめるという意味では上々の作品で、とくに第4楽章フォルラーヌの楽しさは格別です。

 第1楽章は、4分の3拍子で、サラバンドと題されています。が、付点の跳ねるリズムを多用していて、サラバンドとしてはいくらか珍しい雰囲気の曲です。後半は均分リズムのノリになり、品よくまとめています。

 第2楽章は4分の4拍子のアルマンドで、アレグロ(快活に)と指定されています。調子よく進む、まさに快活な音楽ですが、速い16分音符の動きはあまり多く出てきませんので、あまり苦労することなく楽しめるでしょう。

 第3楽章はブーレで、4分の4拍子と指定されていますが、2分の2拍子のように感じるほうが演奏しやすいかも知れません。順次進行の多い素直な旋律線で構成されており、かなり速く演奏してもそれほど難しくはないでしょう。

 第4楽章は4分の6拍子で、フォルラーヌと題されています。明るくて、いくらか庶民的な感じのする愉快な楽曲で、宮廷舞曲というよりまるでフォークダンスのような趣ですが、逆にそれが実に魅力的で、本作の白眉。

 第5楽章は4分の3拍子のメヌエットです。熟練の腕前を感じさせる、すっきりとまとめられた、可憐な終曲となりました。


★試聴ファイル★

リコーダー&MIDIチェンバロ: 石田誠司
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。

第1楽章(B−2)
第2楽章(B−3)
第3楽章(B−3)
第4楽章(B−3)
第5楽章(B−2)


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