リコーダーJP トッファム作品


ソナタ 第4番 ニ短調


全曲ノーカットで試聴できます
(YouTubeのリコーダーJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1860円(税込)

2283 リコーダー用 1800円+税



★解題★
 トッファムの作品1は1701年、作品2は1706年にロンドンで出版されたもので、どちらもアルトリコーダーソナタ6曲を収録しています。そして、これら12曲をまとめたものがのちにアムステルダムで再版されました。

 ここで「第4番」としたのは、「作品1-4」のソナタです。


★解説★

 4つの楽章から成り、緩・急・緩・急の「教会ソナタ」型の構成です。第2楽章から第4楽章は、フーガ(あるいはカノン)ふうの内容になっています。

 第1楽章はグラーヴェ(重々しく)、4分の4拍子です。シンプルなテーマで始まりますが、跳ねる付点リズムを用いたり、分散和音の音型できれいなゼクエンツを形成したり多彩な内容で、しかもフレージングに工夫を凝らした緻密なつくりの音楽だと言えるでしょう。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子です。シンプルな音型のテーマをリコーダーが奏すると、続いて低音が模倣・・・するかと思うと、かなり模倣は崩れていて、あまりきれいには行っていません。しかし、曲が進むにつれて、低音にテーマの断片があらわれたり、低音が休んでテーマ提示の仕切り直しをさせたり、逆に低音が新しい音型を示して独奏楽器のほうがそれを模倣する場面があったりして、雰囲気的にはフーガふうの曲になっています。

 第3楽章はアダージョ(ゆっくりと)、2分の3拍子で、こんどはカノンふうの手法が用いられています。最初は4小節遅れの同度(2オクターブ差)のカノンふう、次は5度違いのカノンふう、さらに4度違いのカノンふうの部分、というふうに、それぞれ間にフェルマータつきの休符を挟みながら進めます。最後は、逆に低音の方が先導して4度上でリコーダーが模倣するカノンふうの収束部となります。

 第4楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)と指定され、8分の6拍子です。ジーグふうでもありますが、ここでも「対位法的な楽曲」が目指されていて、リコーダーがテーマを奏したのに続いて低音が(2小節半遅れで)模倣追随するという場面が何度も何度も出てきます。しかし、それが単純な繰り返しになってはいません。リコーダーの提示する調はどんどん変わっていきますし、音楽としても停滞しておらずどんどん前へ進んでいくおもむきがあり、ひきしまった充実のうちに、簡潔に曲をしめくくります。

※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−3)
第2楽章(C−1)
第3楽章(B−2)
第4楽章(C−1)

 ※カッコ内は指回り難度です。
 ※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司



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