初期フルートソナタ イ長調 K. V. 12
※ 演奏例がお聴きいただけます★この曲を収録したCDつき楽譜★
SF008 フルート用 2800円+税
★解題★
モーツァルトの初期フルートソナタ(KV10〜15)は、彼が8歳のとき(1764年ごろ)に作曲され、イングランド女王に献呈されました。そしてルイ・モイーズによって独奏フルートにオリジナルにおけるよりも重要な役割を与えるよう編曲され、幾多のすぐれたフルート奏者がモイーズ版を用いてきました。この版では、モイーズ版を底本としつつ、原典に対する忠実度を高めるため新モーツァルト全集も参照して編曲を行ないました。
これらのソナタは天才の若書き(幼書き?)と言うにはあまりにも完成度が高く、しかも、成年以後にはむしろ見出しがたくなった伸びやかな勢いを持つ、不滅の名曲です。
★解説★
■イ長調 K.V.12
2楽章から成り、しなやかに歌う第1楽章、可憐なアレグロの第2楽章ともにすてきな小品です。
第1楽章はアンダンテ、4分の4拍子。ソナチネふうのソナタ形式で書かれ、3連符を基調に音楽が進みます。後半にかけて気持ちの高まりがある、気品ある小品です。
第2楽章はアレグロ、8分の3拍子。ほぼ単一の主題を繰り返し扱いますが、ダイナミクスの急激な変化や転調、途中に挟まれる短調のピアノソロなどが音楽に変化をつけ、「ロンド」ふうの印象を与えます。引き締まった佳品です。
■フルートによる演奏
第1楽章
第2楽章
※フルート演奏: 大塚ゆき ピアノ(電子楽器)演奏: 石田誠司
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