初期フルートソナタ ハ長調 K. V. 14
※ 演奏例がお聴きいただけます★この曲を収録したCDつき楽譜★
SF010 フルート用 2800円+税
★解題★
モーツァルトの初期フルートソナタ(KV10〜15)は、彼が8歳のとき(1764年ごろ)に作曲され、イングランド女王に献呈されました。そしてルイ・モイーズによって独奏フルートにオリジナルにおけるよりも重要な役割を与えるよう編曲され、幾多のすぐれたフルート奏者がモイーズ版を用いてきました。この版では、モイーズ版を底本としつつ、原典に対する忠実度を高めるため新モーツァルト全集も参照して編曲を行ないました。
これらのソナタは天才の若書き(幼書き?)と言うにはあまりにも完成度が高く、しかも、成年以後にはむしろ見出しがたくなった伸びやかな勢いを持つ、不滅の名曲です。
★解説★
■ハ長調 K.V.14
3楽章から成り、可憐で天真爛漫な、「子供モーツァルト」最高の傑作の1つです。
第1楽章はアレグロ、4分の4拍子。音階でつくられた指ならしふうのモチーフで始まり、3連符の伴奏に乗ってかるがると音楽が進みます。第2テーマにあたるトリル主題での短いモチーフの歌いかわしがチャーミング。
第2楽章はアレグロ、4分の2拍子の軽快なロンドです。前打音のモチーフがたたみかけるように2度ずつ上がっていくロンド主題後半はたのしい気持ちの高まりでしょうか。2種類の間奏部はいずれも短調でロンド主題と対比されています。
第3楽章は典雅なメヌエットで、第2メヌエット(トリオ)を持っています。第2メヌエットはMenuetto II en carillon(鐘楽ふうメヌエット)と題され、ヴァイオリンのピチカートが鐘の音を模倣する趣向だったようですが、RJP版ではピアノがその役を負っています。
■フルートによる演奏
第1楽章
第2楽章
第3楽章
※フルート演奏: 大塚由貴 ピアノ(電子楽器)演奏: 石田誠司
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