■■リコーダーJP の現代作品■■
秋の孤独 〜1人もの思いに沈む現代人の季節感〜 作 曲 者 石田誠司 作 曲 年 2001年 種 別 アルト二重奏 段 階 第3段階(U)・第7段階(T) 演奏時間 約2分30秒 演奏例演奏者 (T)安宅留美子 (U)石田誠司 (MIDIチェンバロ)石田誠司
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<解説>
冬の前ぶれとしての秋。一人もの思いにしずみながら、遠からず来る冬を思う孤独な現代人の季節感です。最低限に切り詰められたチェンバロの伴奏に乗って、2本のリコーダーが、あるいはやさしく身を寄せ合い、あるいは対話をかわすようにしながら音楽が進みます。途中は符点のリズムを基調とする少し速い部分をはさみますが、またうち沈んだようなテーマにもどり、そのまま孤独の淵に沈んでいきます。現代的な音使いを取り入れ、少し拍子感が独特な部分もありますが、全体としてはとてもわかりやすい作品です。第一リコーダーは、第6段階でほとんど演奏できます。(1箇所だけ高いドが出てきます)
<演奏上のヒント>
冒頭のテーマです。
(2〜5小節)
ごらんのように4拍子の曲ですが、少し拍子感にはあいまいなところがあります。しっかり数えないと、まちがえてずれてしまいますから注意してください。
つぎに、
(9〜10小節)
ここの第一リコーダーの最初の「ソ」の音は、少し太いしっかりした音が欲しいところです。それに導かれて、特徴のあるモチーフがかけあいで出てきます。それぞれの演奏をよく聴いて、音楽を受け渡していってください。
さて、
(13〜14小節)
ここからテンポが変わり、少し速い(アレグレット)になります。符点の音符がしっかりつながっていくように、うまく流れに乗って演奏してください。4分音符になると、走ってしまいやすくなりますから気をつけましょう。
アレグレットの部分が終ると、もう一度最初の部分にもどり、そのあと、コーダ(しめくくりの部分)に入ります。
(33〜39小節)
ここでは、メロディーが第二リコーダーにあり、とくに33〜34小節目では、悲しく美しい表情を出したいところです。しかし、ここでは第一リコーダーの動きもそれに劣らず大切で、とくに最後の3小節では、第一リコーダーの歌いかたで表情が決まってきます。
<作曲者から>
私自身ひとり暮らしですから、秋から冬にかけては、なんだか寒さや孤独感が骨身にしみる感じがすることがよくあります。そのへんを音楽に託してみようと思ったのがこの曲ですが、いささか救いのない暗さに陥った感じもあって、どうだったかなと思ったりします。「第3段階」で演奏できる曲にしたかったので、第二リコーダーの制約はかなり厳しかったのですが、そのあたりは比較的うまく工夫できたかなと思っています。
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