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D. パーセル

〜〜あまりにも偉大な兄の陰で〜〜



★オルガニスト・劇場音楽作曲家としての生涯★

 ダニエル・パーセル(1664-1717)は、イギリス史上最大の作曲家と目されるヘンリー・パーセルの5歳年下の弟です。少年時代は王家礼拝堂の聖歌隊員をつとめ、若いころはオクスフォードのマグダレナカレッジでオルガニストをつとめ、彼の代表作「聖セシリアの日のための頌詩(オード)」のシリーズはこの地で誕生しました。

 兄が若くして亡くなってからロンドンに移りますが、オクスフォード大学とはその後も関係を保ち、何年かの「聖セシリアの日」のために、やはりオードを作曲しています。しかしロンドンに移ってからのダニエル・パーセルの仕事の中心は劇場音楽で、40にのぼる演劇作品のための付随音楽を作曲しました。また、ギリシャ神話を題材とした仮面劇「パリスの審判」のための音楽を課題として競われた作曲コンペティションでは、80人にのぼる当代の作曲家たちの中にあって第3位を獲得しました。

 1712年には自作を集めた「新作声楽・器楽曲によるコンサート」を開きました。そして翌年から聖アンドリュー教会のオルガニストとなり、これが彼の最後の地位となりました。また彼はこの年、めずらしい「英語で歌われるイタリア様式のカンタータ集」を出版しています。


★あまりに偉大な兄の陰で★

 兄ヘンリーがあまりに偉大であるためその陰にかくれ、注目されることの少ないダニエル・パーセルですが、彼の作曲家としての個性は兄の亜流的なものではなく、独自の価値を持っていると思います。ダニエルのすっきりと風通しがよい響きの中でよく歌う音楽は、のちのヘンデルに通じるような気品を持ち、さらには、はるか先の18世紀後半の音楽を予感させるようなおもむきがあります。

 ただ、ダニエル・パーセルの業績の中心は教会音楽と劇音楽で、小規模器楽曲はあまり書いていません。そうした中にあって、リコーダー(「フルート」と題されてはいますが)ソナタ集を残してくれているのは貴重なことだと言えましょう。


★1本のフルート(リコーダー)のための3曲と、2本のフルート(リコーダー)のための3曲★

 ダニエル・パーセルの「フルートのためのソナタ集」は、「フルート」と題されてはいますが、完全にアルトリコーダーを意識した音域におさめていますから、リコーダーのことが頭にあったのは間違いないと考えられます。この時代は単に「フルート」といえばリコーダーを指していたことも多かったわけですから、もしかしたらむしろリコーダーソナタ集なのでは?


リコーダーJPがご提供できるD.パーセル作品
ソナタ 第1番 ヘ長調 アルトリコーダー用
ソナタ 第2番 ニ短調 アルトリコーダー用 
ソナタ 第3番 ハ長調 アルトリコーダー用

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