C. ロジエ
〜〜貴重な「中期バロック」のアルトリコーダーソナタ作家〜〜
★パーセルやコレルリより年上★
カール・ロジエは1640年にベルギーのリエージュで生まれました。ヘンリー・パーセルが1659年、コレルリですら1653年の生まれですから、完全に中期バロックの作家として育った人です。
リエージュは当初スペイン領でしたが、やがてバイエルン公の支配下に入りました。その関係で、ロジエはケルン選帝公マクシミリアン・ハインリヒによって、最初は宮廷楽団のヴァイオリニストとして用いられ、やがて副楽長にまで出世しました。その後、40〜50歳代のころはオランダで活動しており、現在残っているリコーダーソナタはこのころの作品ではないかと考えられます。そして、60歳をすぎて1701年にケルン大聖堂の楽長に任ぜられ、85歳で亡くなるまでこの地位に就いていたといいます。 (参考:Walhall版ソナタ集に寄せられたAnne
Kraft氏による評伝・2012年)
★ロジエのアルトリコーダーソナタ★
チャールズ・バベル(Charles Babel)という人はたくさんの写本を残しており、どうやらそれで収入を得ていた節があるのですが、この人が25曲もの通奏低音伴奏ソナタを中心とするリコーダー曲の楽譜を筆写してまとめた写本がロチェスター大学のシブレー図書館に伝わっています。この通称「バベル写本」に最もたさくんの8曲が収録されていたのが、カール・ロジエでした。
この写本によるロジエの8曲のソナタのうち2曲にはヘンリー・パーセルのオペラからの借用があることがわかっています。これがロジエ自身による処理なのか、それとも写譜屋さんベベル氏の仕業なのかについては、確かなことが言えませんが、他の人(ステファーニ)のソナタにもやはりパーセルの引用があることから、どうもバベル氏の仕業らしいとも言われます(David
Lasocki氏の説)。
ともあれ、1700年〜1720年ごろに隆盛を迎えるアルトリコーダー用独奏曲の流行に少し先立つ時期につくられたリコーダーソナタとして貴重な存在です。
■リコーダーJPがご提供できるロジエ作品■
・アルトリコーダーソナタ イ短調 バベル写本 第4番
・アルトリコーダーソナタ ハ短調 バベル写本 第7番
・アルトリコーダーソナタ ト短調 バベル写本 第11番
・アルトリコーダーソナタ ト長調 バベル写本 第12番
・アルトリコーダーソナタ イ短調 バベル写本 第14番
・アルトリコーダーソナタ ト短調 バベル写本 第16番
・アルトリコーダーソナタ ニ長調 バベル写本 第19番
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